台風が過ぎて一気に秋がやってきた、という感じで
朝晩はもう一枚毛布が欲しくなるぐらい肌寒くなった。
自分は夏が大嫌いなので涼しくなってくるとすごく嬉しい。
いつも本格的に秋が深まってくると、宮沢賢治のこの詩を思い出す
「眼にて云ふ」
だめでせう
とまりませんな
がぶがぶ湧いてゐるですからな
ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから
そこらは青くしんしんとして
どうも間もなく死にさうです
けれどもなんといゝ風でせう
もう清明が近いので
あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに
きれいな風が来るですな
もみぢの嫩芽と毛のやうな花に
秋草のやうな波をたて
焼痕のある藺草のむしろも青いです
あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが
黒いフロックコートを召して
こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば
これで死んでもまづは文句もありません
血がでてゐるにかゝはらず
こんなにのんきで苦しくないのは
魂魄なかばからだをはなれたのですかな
たゞどうも血のために
それを云へないがひどいです
あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが
わたくしから見えるのは
やっぱりきれいな青ぞらと
すきとほった風ばかりです。
詩中に「清明」とあるので、季節でいえば4月になるのだが
それでも『わたくしから見えるのはやっぱりきれいな青ぞらとすきとほった風ばかりです』という一節からはどこまでも深く澄んだ秋空をイメージしてしまう。
秋の風物詩で真っ先に思い浮かぶのは?
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