今日、ちょっとしたキッカケで、役員たちが最近会議してる資料を覗いてみた。今後の社員教育の方針がテーマらしい。で、現状の社員はというと、『責任感がない』『やる気がない』『モチベーションが無い』『向上心が無い』だ。つまり、現状の社員のメンタル面の評価は、一言で言って『根性が無い』だ。
俺が大嫌いな言葉は、『根性』だ。他人を言いくるめたり、叱咤するときに使える便利な言葉が『根性が無い』だ。まるで言ってる本人が、言葉を表現する能力がありませんと看板掲げてるようなもので、酷く不愉快になる。
俺は世間的に見て、『根性が無い』部類に入るだろう。むしろ臆病で、危険が迫ってるなら逃げることを優先する。
一時期流行った『根性アニメ』じゃあるまいし、根性なんて勝手に沸いて来るもんじゃない。根性ってのは動機で、動機を達成しようとする意識のことだろう。
ぶっちゃけ、俺の会社の中に限った話じゃなく、絵に描いたような根性を他人に期待するなんて馬鹿じゃないのかと思う。
他人の手柄は奪う、悪かったら責任を押し付ける、俺は偉いんだから従え、そんな状態でなんで根性出さなきゃいけないのか。
そんなに『やる気』『モチベーション』を引き出したかったら、効果的な方法があるぞ。１００万回の言葉で焚きつけるたり、脅し付けるよりもっと効果的だ。
札束みせりゃいいんだよ！
札束見せ付けて、『達成したらこの札束をお前らに１つずつやる。だからやれ』ってね。有無を言わさずやるさ。ガンガンにな。
どっか狂ってるんじゃないのか。戦時中みたいな、潔い武士道精神持った日本男児なんて、今の世の中にどんだけいるんだよ。総理大臣ですら、自分の任期を先延ばししようと手段を選んでない時代なんだぞ。
カネがなきゃ人は動かない、そんな日本は悲しい。だけど、人を動かそうっていうときに『根性が無い』で一くくりにされるってどうよ？
身を削って、他人のために尽くす、そういうところを見せて焚きつけるのが正しいやり方なんじゃないのか。そうすることで、『アンタに尽くしたい』『アンタの為に働きたい』って思うのが日本男児として残っている『武士道精神』であり『根性』じゃないのか。上から目線で根性が無い、お前らしっかりやれって脅し付けて何の効果があるんだ。
上の人間が先頭切らなきゃいけないのに、部下を盾にしようとするってどうよ？
ちくしょう、なんか腹が立つなぁ。俺が根性出したいのは、もう自分で書いてる小説くらいしか無いのかなぁ。エネルギー持て余してるのに、勿体ないなぁ…。