先週の水曜日のこと、私はさいたまスーパーアリーナで行われる宇多田ヒカルさんのライブを観に行くために、新宿駅の埼京線のホームでワクワクと友人を待っておりました。
ラッシュアワーに差し掛かり、すごい混雑。そしてこのホーム、やたらと乗り入れが多くて複雑すぎる。
すると中近東の方とおぼしき長身の中年女性に片言の日本語で話しかけられました。
「武蔵浦和、アパート、コノホーム、OK?」
私の頭には、昨今ニュースを騒がせている「外国人技能実習生、失踪」などのワードがよぎり、きちんと対応しなければという気持ちになりました。
彼女を路線図の前に連れていき、指をさしながら「新宿駅はここ、武蔵浦和はここ。このホームで合っています。でも次に来る籠原行きは武蔵浦和には行かないヤツだから、次の次の川越行きに乗ってください」と怪しい英語で一気に言いました。そうしたら彼女は「英語ワカラナイ。日本語ダケ」と。
「なぁんだ」と思いながら日本語でゆっくりと同じ意味のことを繰り返したところ、彼女は不審な顔をするばかり。
同じホームから違う種類の電車が出ることが意味不明、そもそも日本語もほとんどわからないことが判明。
私は一生懸命ジェスチャーをしながら、何度も同じことを繰り返しました。
するとそのうち彼女は、「アナタ、ダイジョブ?」と、ちょっと憐れむような顔で私の背中をポンポンしてくれるようになり、挙句の果てに「アノ人、キット知ッテル」と、同じようなことを質問され続けて疲労感漂う駅員さんのほうにフイッと去っていってしまいました。
突然取り残される私。え? 嘘? 「アリガトウ♡」とか「バイバイ」とかないの? 放置なの? ねえ、ねえ、ねえ!!!!
そんな私たちの後姿をだいぶ前から薄目で眺めていたらしい友人が、ときどき互いの背中をポンポンし合いながら路線図を前に喧々諤々している私たちの様子を、まるで仲のよい姉妹か親子のようだったと言い、そして「よく頑張ったね」と背中をポンポンしてくれました(泣)。
彼女は無事に武蔵浦和のアパートにたどり着けたでしょうか。
グローバル化とコミュニケーションの難しさを感じた出来事でありました。