透明カプリチオ -33ページ目
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奇妙な夢を見た。

ばあちゃんの家に遊びに行った。

ばあちゃんの家がいつもより広くて不思議な感じ。

外から見てると誰かがベランダにいる。

その誰かがまた違う誰かを外に放り投げた。

大丈夫かと慌てて見に行く。

そこには靴しかない。

上へ上がってみると知らない人が沢山いる。

話をしてみると、昔ここに住んでいた家族らしい。

家族にしては多い。

親戚も集まっているのだろうか。

忙しそうに料理をしたり、掃除をしたりしている。

その横で走り回ってる子供達。

その中の一人は、さっきベランダから外に放り投げられた子だった。

何でこの人達がばあちゃんの家にいるんだろう、それにこの家はばあちゃんが一番初めに住んだのに。ってそれが一番の疑問だったんだけど、まぁ良いかと。

話したり、様子を見てて感じる事は、少し人間的な色が曇ってる。

影があるというか、何て言うか。

そうだ、この人達は幽霊なんだ。

幽霊だって気付いて少し気味が悪くなったんだけど、幽霊だって気付かない様にしていたし、幽霊だよね?って言わない様にした。

不思議な事に触れてきたりしてもある程度温かいし、冷んやりはしていない。

ただ曇ってる。

ただ、それ以外はみんな笑顔も人間だ。

その途中はあまり覚えていないんだけど、呼ばれて扉を開けたら旅館の宴会場みたいになっていて、この家のどこにこんな広い場所が!って思った。

さっきよりも人数が多い。

失礼な話だけどもっと薄気味悪い人もいる。

曇ってるどころか首から上が45度くらい斜めにくっついてる人とか、変な生き物。

ジブリの映画、あまり見た事ないんだけど、ジブリの映画をを見てる様だった。

一番良い席に呼ばれて座って、普通に飲み食いして、笑って。

案外、幽霊って楽しいじゃんとか思った。

見た目以外は何も気にする部分なんかないし、むしろ楽しい。

面白い一日だった。

何を話ししたかとかは覚えていないんだけど、楽しかった。

とある幽霊が、僕の肩をポンポンとした。

すぐ目の前にある扉を指差した。

そこを開けろって事なのかなと恐る恐る開けてみた。

すると家とかじゃなくて、昔少しお世話になっていた病院。

何で?って振り向くと扉を開ける前の世界は幽霊達の宴会だったのに、目の前に広がるのはただのばあちゃんの家。

普通の部屋。

幽霊達はいない。

仕方なく進んでみる。

扉を閉めると、その扉は消えて。

受付に行ってみると、タバコを吸いながら「どうされました?」と聞いてくる変な人。

その人がまさかの昔付き合っていた女性で。

あっちは気付いていない、名前を書いても気付かない。

ちょっと怖かった。

記憶から消されたのかと少し不安になったりもしたけど、幽霊達の宴会からの流れだから何が起きてもおかしくないかと。

変に納得した。

自分の元カノがこちらの扉へどうぞって開けてくれた。

中へ入ると、僕はいつもの風景に戻っていた。

いつものベッド、いつもの陽射し。

どうやら目覚めた。

一体何だったんだろうか。

不思議だよね、起きたら身体触っちゃうんだもん。

それにこんなに鮮明に覚えてる夢も初めて。

幽霊と会話して、一緒に飲み食いしたのも初めて。

その病院へ続いてた扉の色さえも覚えてる。

不思議だった。

何かを意味する夢だったのかな。

その何かが分かれば楽なんだけど、何もわからない。

まぁ、それはそれで良いや。

奇妙な夢だよね。

扉を開けたら目が覚めて、自分の一日が始まるなんて。

また見ても良いかなって思える。

幽霊が本当に今日見た夢の様な幽霊なのであれば。



おやすみBGM
pink 〜奇妙な夢〜 / Mr.Children