北風と太陽の童話をご存知でしょうか。

北風と太陽はどっちの方が強いかを決めるため、

通りすがりの男性のコートを脱がせた方が

勝ちという勝負をする。

 

北風はビュービューと風を吹かせたが、

男性はコートが脱がされないように

手のグリップを強め、コートを身体に巻きつけるかのように

しっかりと閉めてしまい、逆効果。

 

そこで太陽は燦々と輝き、

気温を上昇させ、男性は汗をかきはじめ、

暑さに耐えかねコートを脱ぐ。

 

The moral of the story(話の教訓)は

それぞれに与えられている素晴らしい役割があり、

どちらが強いかを比較することに

意味はないというものかもしれないが、

太陽が働かせる智恵はたびたび

友達との会話やビジネス上で

いろんな場面で引き合いに出される。

 

私もこの童話はとても好きだ。

 

今日はその童話を思い出す事件が

子犬との間に起きた。

 

<背景>

子犬を迎えるにあたってフローリングに

30cmX30cmのタイルカーペットを購入して

子犬部屋に敷き詰めた。

 

マットは抗菌、消臭、ある程度水をはじくと

愛犬家の間では知られているPeppyという

オンラインショップで買ったもの。

洗いやすさ、乾きやすさを考慮しているせいか

思ったより少し薄いが、裏にはフローリングに吸着する

ための工夫もされているので

普段の生活上、ズレることもはがれる事もない。

 

ところが子犬はこのマットを

剥がしたいという衝動に駆られるようだ。

ものすごい勢いの地面ホリホリが始まる。

タイルカーペットの角っこを狙って

少し盛り上がったところを

今度は歯でなんとかカジカジしようとする。

ホリホリ、カジカジの繰り返し。

そんなことをやっているうちに

カーペットがめくれあがり、子犬は角を咥えて

一枚ずつマットを剥がしていく。

一枚剥がれてしまえば他を剥がすのは

簡単。それがどうも楽しいようだが、

飼い主としては困った行動だ。

 

子犬のホリホリが始まる前に

おもちゃで気を引いたり、

なんとか子犬の意識がマットにいかないようにする。

 

サークルから出しているフリータイムは

子犬にとっては自由な時間でも

飼い主にとっては気をつけなければ

いけない監視タイム。

少しでも目を離すと何かしら発見をしては

イタズラをしてしまうのだ。

 

イタズラをしないように、周りにフェンスを

置いたり、こちらも環境整備をしたつもりでいたが、

今では家中がフェンスだらけになってしまっている。

人間がでっかいサークルの中に

暮らしているようだ。それでもフェンスの数は足りていない。

 

そして、タイルマットに目をつけてくるとは

予想していなかった。

実は「子犬あるある」?知らなかった。

 

とにかくこのタイルマットを巡る攻防は

私と子犬との智恵比べになっていった。

 

子犬はデスクの下のタイルマットを狙ったり、

目の届きにくい部屋の隅に行き、

私が家事をやり始めると

ホリホリし始める。

 

その対応として

子犬のフリータイムの時は

デスクの下や部屋の隅に行かないように

フェンスを立てておく。

(フェンスの数も限られているので

他のところから持ってきて

移動させなければいけないが、

とりあえず侵入を防止)

 

と思ったら、今度はフェンスを嚙り始めたり

フェンスを揺らして壁にガンガンぶつける。

このフェンスを揺らして壁にガンガンぶつけることを

どうやって覚えたのか、今までに見たことがない行動だ。

よく思いつくな〜、次から次へとやって欲しくないことを。

 

私はついにフェンスを床に置いた。

家は散らかって見えるが仕方がない。

やられそうなタイルマットの上に

フェンスを置いてしまえば良い。

 

これでしばらくの間は

子犬はタイルカーペットを剥がそうとするのを

あきらめていたようだが、

なんとなんと、子犬はタイルマットの上に

おしっこをしたのだガーン

 

え〜?なんで?

最近全然失敗していなかったのに〜と思ったが、

こうやって私はカーペットを即座に

剥がさなければいけない状況になり、

子犬はその隣のカーペットの縁のところを喜んで

手でカキカキして早速めくろうとしていた。

 

わ〜、負けた。

タイルカーペットを剥がす一番簡単な方法を

子犬にやられてしまった。

 

そこで私は思い出したのだ

北風と太陽の童話を。