小学校で英語が必須科目となり、

すでに英語に苦手意識を持ち始めた生徒がいる。

この生徒さん、

自分の苦手意識をなんとかしようと、

親に家庭教師をつけて欲しいと

頼んだそうだ。

 

そしてその家庭教師として

雇われたのが私。

週一度の30分のレッスン。

 

私は小学6年生の彼に大いに期待した。

大人になってからだと英語の発音の習得は難しいけど、

子供ならいろいろと吸収してくれるだろうと。

 

ところが、彼は予想外に何も吸収しなかった。

彼は英語に対して苦手意識があるせいか、

私のレッスン以外は一切英語に触れない。

まったく興味がないようだ。

苦手だからこそ少しは勉強をして欲しいのだが。

いくら子供で吸収は早いと言われていても

何もやらなければ何も覚えない。

 

ここまで勉強を一切してくれないとはまったく予想外だった。

自分から家庭教師をつけて欲しいと親に

頼むぐらいなら英語の勉強を少しやってくれると

大きな期待を彼にかけ、

フォニックスを教えた。

発音だけでも小学生のうちに習得してほしいという願いからだ。

実際のところ、英語の勉強は中学に入ってからでも間に合うが

発音は中学に入ってからではもう遅い。

 

ところが

本人にそんなことを伝えたところで

彼はなんの焦りも感じていないようだ。

時間がある時に彼に音読をしたり、

音声を聞いて発音を練習してもらいたく、

Oxford Reading Treeを

紹介したが、

一度だけアクセスしただけで終わってしまったようだ。

英語は習慣にしないと上達はしない。

 

やってくれないだろうと知りながら

宿題を出すわけにはいかない。

宿題をやっていないと

レッスンを受けるのが嫌になってしまうだろう。

 

毎週3つずつくらいのフォニックスを紹介した。

ジョリーフォニックスをもとに

's''a''t''i''p''n'をアクション付きで順調に教えていたと思ったら

3ヶ月ほどたった頃に彼に

「こんなの覚えきれない」と言われてしまった。

そうか、私の悪い癖でいろんなことを

彼に詰め込みすぎていたかもしれないと

反省をした一方、心の中では

「君がもっと普段から英語に触れてくれれば覚えられるんだけどな〜。」と

思っていた。週一回の30分だけでは何をするにも厳しいに決まっている。

 

ところが、彼の方から「先生、僕英語が読めるようになりたい。」と

言ってきた。私はびっくりした。彼は英語が嫌いなわけではないのだ。

そっか、来週からは一緒に絵本を読む練習をしよう!と

私は張り切った。

 

つづく。