この前、風呂に入ってた時の話。
髪の毛と体を洗い、湯船にサバッと浸かる。
まぁ、誰もが思う「気持ち良い」瞬間ですね。
ちょうどその日は、(白く濁らない程度の)入浴剤を入れていたのもあり、とても気持ちが良かった。
「あぁ、これヤベェわ。これマジでヤベェ。」と5回ぐらい心の中で囁き、裸眼だとまるで水の中に居るようなぐらいぼやけた視界でも、とても心地よかった。久しぶりの感覚に、とてもニヤけてしまった。
そして、ふと肩の方に目を向けると、何やら糸屑が丸まったようなゴミみたいな物が肩の上に浮いていた。
「んだよコイツ。こんな時に俺を邪魔するのか?」と、そこまでは思わなかったが、少なからずちょっとムッとなった。
何故かと言うと、その日は珍しく一番風呂だったからだ。
まぁ、後から入る親も、さすがにこれを見ると気分が滅入るのではないかと勝手に思い、手でジャバッと払い除けてみるものの、全く湯船の外に出ない。
それは、夜間散歩してるしている時に背後に只管付き纏うストーカーの変態オヤジのようにしつこかった。
これは天罰を下すしかあるまいと、右手の親指と人差し指に意識をを集中させ摘まみ出してやろうと目論んだ俺は、異様な落ち着き様でその二本の指を、浮いてるゴミに持っていく。
摘めない。ユラユラ浮いている。コイツ手ごわい。
そのゴミの正体は、いつの間にか肩に出来たホクロだった。それが浮いているゴミに見えただけ。ただそれだけだった。
俺は泣いた。