冬の終わり・・・な俺・・・。
東京に居る事を忘れてしまいそうな程の白銀の世界から一夜明け、いつものがさつなアスファルトが顔を覗かせていた。
人は上から下に落ちるものに情緒を感じる。
例えばそれは雪。
例えばそれは雨。
例えばそれは桜。
過剰な防寒具を身に付け外に出ると、土の混じった都会の雪だるまが子供達によって見る見る大きく姿を変えていく姿を目にした。
何だかDSよりも楽しそうだった。
一緒に作ろうと参加する俺・・・。
優しく見守る母親・・・。
断る子供・・・。
翌日、優しく暖かな日差しは地面を完全に白から黒へと変えていった。
子供達はまた家の中で、ゆっくりと春を足音を待っている。
春の始まりは楽しい・・・。
同時に・・・
冬の終わりは淋しい・・・。