今の時代、何でもコンピュータでシミュレーションできそうに思われるかもしれませんが、残念ながら人類の科学力はそれほど進歩していなくて、特に流体シミュレーションのような複雑系は計算アルゴリズムが確立しておらず、正確なシミュレーションは不可能です。

だから今でも飛行機や船の設計では、模型を使って風洞実験やプールに浮かべてテストを行っています。実験してみないとわからない?というのが現実です。

計算速度が速いスーパーコンピュータを使っても天気予報は当たらないのは元々の計算式が不完全だからです。 乱数の占い程度には当たるかも?w


最近コロナの飛沫シミュレーションCG映像をよく見かけますが、あれはウソとまでは言いませんが正確ではありません。あくまでも意図的に作られたイメージ映像になります。

実際の飛沫は短時間で部屋中に拡散すると思います。根拠不明の1.5mルールや中途半端なアクリル板の仕切りとかほとんど意味はないでしょうね。「一応やってます!」アピールに過ぎませんね。w



そんな前提知識を踏まえて
フィンガーサーフィン(Finger Surfing)ってご存じでしょうか?

 


オモチャのサーフボードを指で操ってサーフィンを楽しもうという遊びです。
これ意外と楽しそうですよね。

他にもフィンガースケボーとかフィンガースノボーとかフィンガー遊びは色々とあるようですが、今回は純粋な科学実験です。w



前回提案した自作フォイルボードの実験をやっていきたいと思います。

 



まずボードですが、材料は「要冷蔵」午前中配達指定の発泡スチロールです。w



この発泡スチロールを適当に切り刻んでボードを作ります。

 

わかりやすく10分の1スケール(170x70x10mm)になっています。
まずは大まかにカットして板状にします。

 



カッターで適当に整形します。
この作業めっちゃ楽しいです!



大体の形ができたらサンディングで表面を整えます。



サンディングペーパーで簡単に削れるので削りすぎないよう慎重にシェイプします。
スリスリ大好き!




完成!
オリジナルデザインのフォイル用ボードです。
表面処理はしていませんが10分の1スケールなので問題ないでしょう。

実際のボードも発泡剤をカットしてFRPでコーティングしているだけです。
なのに何であんなに高いんでしょうね。 不思議?・・・


早速、洗面台で浮力テストしてみました。



アヒル隊長(25g)に乗ってもらいました。w
重心バランスはこの辺ですね。



サイズが10分の1なら体積は約1000分の1になるので重量も約1000分の1と仮定して浮力テストしてみました。



100g → 100kg程度なら乗れそうです。セーフ!w





続いてフォイルを作ります。
まずは一般的なデザインのフォイルを作ってみます。

材料は「越中富山名産」ます寿司の箱です。w



適当に翼型にカットします。
翼型理論については後ほど触れますが適当でいいです。



尾翼と胴体とマストも作ります。










防水のためにペンキを塗りました。
手持ちで残っていたプラモデル用のミスターカラーです。w






完成! 「Time Tripper 2020 MASUZUSI Model」です。w



このサイズの工作なら簡単なので翼型のデザインも色々試せます。


 

本物を買うと安いセットで30万円ほどしますがゴミ工作ならゼロ円!です。w

今時のオコチャマは何でも3Dプリンタで作ろうとしますが、こんなものは手作りしたほうが100倍早く作れます。




これをタライに浮かべて浮力実験をしてみました。
 

 

ウキウキは難しいですがフィンガーサーフィンは楽しいですよ!

あくまで科学実験の動画をご覧ください。w

 

 


タライの水流は安定していますが、回転しているので内輪差があってバランスを取るのが難しいです。さらに指先だけでは踏ん張れないのでグラグラします。

ボードに立つ重心は前方の主翼の重心と一致している必要があります。
この重心ポイントを外すとうまくボードに立てなくなります。

後ろに重心をかけると主翼が上向き、水圧が翼の腹に当たって反発して上昇します。
あとは微妙に重心位置を変えることで上昇降下と旋回をコントロールします。

慣れてくると安定して浮上できるようになってきたので、実際と同じように練習を重ねればうまく乗りこなせるようになると思います。練習あるのみ!




水中翼のデザインは色々と考案されて販売されていますが、グライダーの知識から判断するとヘンテコなものも沢山あります。あくまでも商品ラインナップのために作られたファッション的なデザインが多いように思います。

翼型理論は昔から色々と研究されていますが、決定的な答えはないように思います。



あくまだも環境に依存いるので、その日のコンディションによって最適な翼は違ってきます。
この翼型は私がグライダーで使っていたものです。



水中翼は空中とは分子密度の違うのでデザインも変わってくると思いますが、結論から言うと翼型はあまり意味がなくて単なる板でもほとんど効果は変わらないと思います。

空中でも水中でも、浮力の大部分は翼の腹に当たる圧力に反発して上昇しているだけです。散々、模型グライダーを作って飛ばして体感した結論です。

 

 


翼の上面と下面流体速度の違いよるペルーヌーイの定理を引き合いに出した浮力の解説をよく見かけますが、ハズレでしょうね。w



負圧は全く効果がないとはいいませんが、浮力のほとんどの単なる反発です。
姿勢を変えることによって上昇や降下するエレベーター効果がよい例です。

翼型には前回説明した渦によるパラシュート効果を軽減する整流効果はあると思います。
しかし、それもケースバイケースで、その場の環境で結果は大きく違ってきます。

市販されている水中翼は水圧を逃がすために後退翼が多いようですが、浮力は小さくなります。効率的なのは薄く細長い翼であることは間違いありませんが、ボードとの相性や危険性も増すためかもしれません。

翼型理論はこれくらいにして
次回は本題のオリジナルデサインのフォイル実験に移りたいと思います。

つづく・・・