以前指摘したとおり、疲弊する経済の突破口として「AI」という新たなチャッチコピーがお祭り状態になっています。専門的な立場からすると、AI技術は一般の方が期待するような未来的で幻想的なものはありません。それどころか事態は負の方向に歩み出しています。

全く以前の「マイナスイオン祭」や地球温暖化ビジネスによる「エコ祭」と同じ状況ですが、ありとあらゆるものにAIというシールが貼られた商品が乱立してきています。その内に冷蔵庫やクーラー、炊飯器に掃除機、テレビなど、おそらく一通りの電化商品にAIシールが貼られることは間違いないと思います。

AIとは「Artificial Intelligence」のことですが、日本では「人工知能」なんて言われています。
Artificial(アーティフィシャル)は「人工的な」といった形容詞になります。
Intelligence(インテリジェンス)知性とか知恵といった名詞になります。
つまり「人工的な知性」となりますが、インテリジェンスはもっと軽い意味で使われるので、間違っても「人工知能」なんて大それたものではありません。



特に最近目立つ商品としては「AIスピーカー」なる不気味なものがあります。
あるいは自動車の自動運転にもAIという人工頭脳が搭載されていると勘違いしている人も多いようです。

AIスピーカーがマイクで音声を電気信号として捉えて、パターンマッチングで単語を識別でしていますが゛その言葉の本当の意味を理解してるわけではありません。小学校の頃から国語の勉強をされた方なら大体理解できると思いますが、声を出して読を読むことと、その感想を述べることは全く別次元の作業になります。

もちろん簡単な商品の注文くらいならパターンマッチングレベルでも問題ありませんが、それならタブレットのボタンを押したほうが確実で早いでしょう。AIスピーカーは常に聞き耳を立てているのでご要注意してください。AIスピーカーは盗聴器でAIカメラは盗撮機として24時間監視しています。全てのデータはサーバーに送られて個人情報として整理され売買することで企業利益にしています。だからハードは安価なのです。既にお掃除ロボットが徘徊しているような洗脳されやすいご家庭が狙われています。ご注意ください。


AI祭り真っ盛りの日本では、あえて大きなニュースとして取り上げられませんでしたが、先日アメリカのラスベガスで一般道を利用したバスの自動運転の実験がスタートしましたが、初日にトラックとの衝突事故を起こしています。

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自動運転バスがトラックと衝突 米ラスベガスでサービス開始の初日
http://www.bbc.com/japanese/41926417

バスはトラックを感知して停止したようですが、トラックは停止することなく衝突したようです。バスは距離センサーで障害物の距離を計測し、あらかじめセットされた距離に達したためブレーキをかけただけです。相手がトラックなのか?何をしようとしているのか?これからどう動くのか?なんて全く考えもしていません。

おそらく人が運転していれば避けれた事故ですが、チープな距離センサーだけの自動運車では意味を理解して先を推理した行動は出来ません。それでも結果は「トラックの運転手が悪かった」と結論付けているようです。

恐ろしいのはその先の理屈です。
「人間の運転よりも何倍も安全な高度に自動化された車両を待つのは、命を救うチャンスを逸している」
日本もこの人柱説を追随しています。

元々自動車は殺人マシーンでもありますが、あからさまに人が機械に殺される時代がすぐそこまで来ています。
利口なGoogleは表向き自動運転から撤退しています。



本来の認識とは奥が深いもので、またそれは一人ひとり結果が違うものです。
その根源は生まれてからの経験の積み重ねと、その人が置かれている環境や立場にも大きく作用されます。
ある本について読書感想文を書かせると100人が全て違う結果になるのはこのためです。

映画「ブレードランナー」でもレプリカントの判断基準として、特定の作られた過去記憶を転写されていましたが、もし万人が経験した膨大な過去の記憶を無作為に判断準として利用したとすると、精神分裂状態の支離滅裂な結果が導き出されるかもしれません。

逆に、開発者が理想とする仮想人物のモデルを作ったとすると、その経験値や判断基準は万人の欲求にかなった素晴らしいものになるのか?という問題もあります。
そんな素晴らしい人間モデルはブッダでもキリストでも無理でしょう。過去の歴史では宗教の違いで殺し合いをするほど価値観に食い違があると実証されています。
つまり映画のような簡単な話ではないということです。



兵器にAIを搭載してもよいか?という議論が白熱してきているようです。
まさにターミネーターのような時代が現実に到来してきたわけです。

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容認派は「AIが自らの判断で素早く正確に対応をすることで、味方の兵士の命を救えるチャンスが増える」といいます。
反対派は「もしAIが誤認して民間人を傷つけたり、暴走して予期しない被害を出す恐れがある」といいます。

しかし、話はそれ以前の問題で急速に開発が進んでいます。
つまり核兵器と同じように「敵が持つならこちらも持つ、敵が持つ前にこちらが持たねばならない」といったいつものアホな思考ルーンに陥っているようです。

今話題になってる北朝鮮の核問題は、北朝鮮だけの問題はありません。
それ以前から始めた愚かな先人達の問題です。
そして今、AIという新たな脅威が生まれようとしているわけです。

アホな人類が作り出すものはアホな結果になるということでしょうか?
「下手の考え休むに似たり」
というか「考えるな」というレベルのお話でした。