AI(人工知能)にSFチックな壮大な幻想を描いている一般の方もいるかと思いますが、専門的な立場からすると従来のそれとほとんど大差はありません。このようなキャッチコピーは業界として毎年作り出すのですが今年はAIなだけです。実はこの話には裏があると思っています。

経済界としてはハイブリットでも売れなくなってきた自動車を、これから自動運転で売っていきたいと考えているのですが、常識的な感覚としてその危うさは誰もが感じるところだと思います。
このイメージを払拭するためにはなんらかのイメージ操作が必要になるわけですが、そのために「AI」というキャッコピーで技術が飛躍的に進んだ様な錯覚を起こさせる必要があるわけです。

最近のゆとり世代や昭和の高齢者は簡単にだまされるのかと思いますが、私の視点では現在の自動運転車はフォトダイオードとトランジスタで作るライントレーサーに毛が生えた程度のものだと思っています。
この程度のものにハンドルを任せるのは正気の沙汰ではないでしょう。

これは先日テスラで死亡事故を起こした人の映像です。
このビデオにイーロン・マスクも絶賛してTwitterでリンクしていましたが、その後、彼は自動運転中に事故を起こして亡くなりました。

Autopilot Saves Model S
https://youtu.be/9I5rraWJq6E


この事故についてテスラ社は、車は完璧で運転者に責任があると発表しています。
バカげた話です。

ちなみにボルボ「XC90」やアウディ「Q7」も同じレベル2の自動運転で事故を起こしてします。事故は永遠に必ず起きるものです。

イメージ 1


昭和の時代からコンピュータの仕組みは何も変わっていません。
現在のノイマン型コンピュータは簡単にはプログラム読み込んでCPUて計算をするだけです。
現状はスタンドアロン的なシステムからインターネットなどによるネットワーク化が進んでいますが、その速度は十分に高速でなく、まだまだ人の脳の神経細胞の伝達速度と比較するレベルではありません。

一昔前、電気業界でマイナスイオン祭りがあったように、これからはAI祭りが始まります。ありとあらゆるものにAIのキャッチコピーのシールを付けた商品が出てくると思います。おそらくそのほとんどはマイナスイオン状態だと思います。

昭和のマイコンブームの時代、何でも「マイコン」の接頭語が付きました。
「マイコン炊飯ジャー」「マイコン冷蔵庫」「マイコンポット」・・・
これからは何でも「AI」が付くのでしょう。
「AI炊飯ジャー」とか「スマート炊飯ジャー」といった無意味なスマート化が進みそうです。


機械は簡単に壊れます。
特にコンピュータはちょっとした振動や熱、電磁波で簡単に壊れます。

日本では主要メディアのニュースとして流れませんでしたが(おそらく意図的に隠した)先日アメリカでトヨタのレクサスのナビが一斉にダウンするという重大な事故を起こしています。原因は更新パッチのプログラム・バグで、そのデータ放送を受信した車が一斉にダウンしました。

Lexus Owners Experiencing A Nationwide Blackout Of Nav Systems
http://jalopnik.com/lexus-owners-experiencing-a-nationwide-blackout-of-nav-1781158360

今時の車はナビは頭脳であってエアコンやらオーディオ等様々な機能が不全になりました。もしこれが自動運転中のナビだったらと思うと恐ろしいことで大惨事になっていたでしょう。つまり簡単にこんな事故が起こるということです。ベースはあくまでも人間なのです。人間はミスをする生き物です。

根本的に、この程度の安全性能で公道での走行を認可する国土交通省の考え方が理解できません。おそらく燃費問題と同様、ウラでよろしくやってるんでしょうが、金さえ儲かればよいという現在の経済優先・命軽視の風潮はいかがなものかと思います。
これならマフラーとかを不正改造した暴走族の車のほうが100倍安全でしょう。

日産も前の車を追っかけるだけのライントレースカーを販売するようですが、運転にはくれぐれもお気を付けください。事故を起こしてもメーカーは一切責任を取るつもりはありませんので・・・