朝の風景

どうして田植えをするのか？
わざわざ別に苗を育ててそれを田に植えつけるのは面倒なことです。
直接田に種を蒔いてほっておけばいいんじゃないか？とも思うのです。
しかし、古来から田植えはされています。

その理由は他の雑草に比べて有利な条件で稲を育てるためです。
自然界ではありえない奇跡的な状況を作り出し、そこに他より抜きに出て成長した苗を植えるのです。
その奇跡をモーゼのごとく作り出すのが人の行う農業です。

農薬やホルモン剤漬けにするのが農業の仕事ではありません。
現代農業で使われる農薬や科学肥料、ホルモン剤といった工業製品はお金を集めための道具です。
先の経団連の米倉会長の住友化学も肥料を作って農業の益を掻き集めていました。
つまりそういう仕組みが作られているということです。

しかし化学物質で過保護に育てられた植物のＤＮＡは進化することなく退化が進み未来で生きていくことができません。
既にその傾向は出てきていて工業的農業が発達してわずか５０年で失ったものは大きかったと思います。

人の思いで行ってよい境界線があります。
それを踏み越えて行うことは許されません。
いずれそのしっぺ返しは私たちに跳ね返ってきます。

現在の豊かな社会、有り余る飽食の社会の裏側にはこういた問題があることを理解しておく必要があります。
一時の見せ掛けの豊かさは、何もマクドナルドの問題だけはないのです。

チョビと見るこの田の風景も、行き過ぎた姿なのかもしれません。
日本の原風景はもうどこにも残っていないのかもしれませんね。