雨が降っています。
おかげで昨日に比べるかなり寒くなりました。

でも先日からの暖かさで「蚊」が徘徊をはじめました。
昨晩はその蚊に悩まされてなかなか寝付けませんでした。
そろそろ蚊取り線香の出番のようです。
早くない?


焼玉エンジンやディーゼルエンジンと歴史を逆行するタイムトリップを続けていますが、
今回はスターリングエンジンまでバック・トゥ・ザ・フューチャーしちゃいましょう。

おそらく今の世代の方はスターリングエンジンってご存知ないと思います。
あるいは省エネ時代にマッチした最先端のエンジンだと思われているかもしれません。

実は歴史的に見ると蒸気エンジンの次に登場しています。
スターリングエンジンは相当古いエンジンなのです。

しかし、内燃機関のガソリンエンジンが登場して小型でパワフルなものが出来てくると、大きくて出力も小さく故障の多いスターリングエンジンは利用されなくなりました。
当時はエコよりパワーが何より重視されたためです。

しかし今の時代、効率はともかくエコ産業がビジネスとして成立するようになってきたので、再び脚光を浴びているわけです。

以前私も相当ハマりました。
高出力のスターリングエンジンではなく「低温度差スターリングエンジン」に興味を持ちました。
高性能なものは温度差4℃ほどで動作するようです。

過去の挑戦は下記にあります。

低温度差「スターリングエンジン」に挑戦!
http://www.geocities.co.jp/PowderRoom-Tulip/6529/wood/engin.htm

低温度差「スターリングエンジン」に挑戦!(その2)
http://www.geocities.co.jp/PowderRoom-Tulip/6529/wood/engin2.htm


書棚を探したら、埃に埋もれたエンジンが出てきました。

イメージ 1

このエンジンはゴミから作っているので、素材と工作の精度が悪く低温度差ではうまく動作しませんでした。
ロウソクなどを熱源に利用すると元気に回ります。

このタイプのスターリングエンジンは、以前に学研の「大人の科学マガジンVol.10」でも取り上げられているので、書店に行けばまだ在庫があるかもしれません。


ただし低温度差スターリングエンジンは「回る」という現象を楽しむためだけのもので、実用性は全くありません。
発電や動力に利用するにはそれなりに高出力なエンジンが必要になります。

低温度差スターリングエンジンを作ってみて、難しいのは精度です。
どこまで抵抗を無くすことが出来るかがポイントです。
ピストンや軸受けに給油することも許されないほどです。

何しろガソリンエンジンのようなガス爆発による膨張ではなく、微弱な熱膨張による気体の流れを利用するエンジンですからパワーはちょっぴりなのです。

スターリングエンジンの最大の問題点は耐久性です。
高精度を要求するエンジンですが、長期間の運転では必ずどこかが磨耗したり劣化します。
趣味として卓上の小型模型エンジンを楽しむ範囲では問題はありませんが、実用エンジンとしては途中で止まると大問題なのです。

ガソリンエンジンのような強力なパワーでブン回すエンジンは、少々ピストンがヘタろうがお構いなしで使えますが、スターリングエンジンはそうはいきません。
実に精細でエレガントなエンジンなのです。

歴史的に忘れられたにはちゃんと理由があります。
もし今の時代に、このエンジンを販売するとすれば、実用性よりイメージを商品価値にすることになると思います。
結論からすると現状は「使えない」が答えかもしれません。

効率よりも構造的な耐久性を研究すれば実用の可能性は高まるかもしれません。
無修理でせめて10年は動き続ける必要はあると思います。


私の通勤車は、故障なしで12年目です。
ガソリンエンジンでいいので新しい車がほしい・・・