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グライダーを語る上で翼型論は外せませんが、「翼型命」ってちょっと違うように思います。
その筋の掲示板などでは「CNCで作った翼以外は翼型を語るな」といった書込みも見受けられますが、
このような方はきっと既製品のキットばかりで自作したことが無いか、基本的なことを理解していないと思います。
翼型だけではグライダーは飛びません、何より重要なのは全体のバランスだと思います。

これまた有名なMark Drela博士のSuperGeeIIなんかは設計書も公開され有名ですが、
あれを設計図のまま寸法を合わせて作成したとしても多分期待どおり飛びはしないと思います。
本当に忠実に再現したいのなら、材料の材質や接着剤またその質や製作時の温度や湿度管理も重要でしょう、
現実には不可能だと思います。
なぜならそれらにより機体の剛性や柔軟性、重量配分が違ってしまい機体全体のバランスに影響するからです。

Mark Drela's SuperGee II
http://www.charlesriverrc.org/articles/supergee/SuperGeeII.htm

ただ根本的にあの設計書はパーフェクトではないということです。
改善すべきところは多々あるはずですし、それらは計算で求められる程単純ではないはずです。
また飛ばす環境にも大きく影響されますので、環境や飛ばす人にあった機体を製作すべきだと思います。

大柄で腕力もある外人と、背丈も低く体力の無い日本人では根本基礎体力が違います。
乾燥した砂漠のような広大な大地で飛ばすのと、山間の風の舞っている湿気の多い場所で飛ばすのも大きな違いがあります。
だって、トンビだってヨーロッパやアメリカのそれと日本のそれは進化が違うでしょう?
・・・つまりは場所や目的、自分にあったグライダーを模索する必要があるわけです。

固定翼の翼型は鳥の翼の模倣から始まっていますが、未だ鳥を超えるような物は出来ていないと思います。
人間作る翼は、硬い翼とその形状に変化を付ける為の小さな補助可動翼で出来ていますが、鳥の翼は全体的な翼型を自由自在に変形し、翼長、翼弦長も垂直にも折りたためばゼロにすることさえ出来ます。
つまり現在の翼の開発アプローチでは、これは到底真似の出来るものではありませんし、これを超えることは出来ないのは当然でしょう。
いかなる状況下でも柔軟に自由自在に変形できる全可動翼を開発するしかないでしょう。
レイノルズ係数がどうのこうのって言っているようでは、到底無理なことなのです。

RCグライダーなんて所詮はオモチャですので、それ程真剣に考えても仕方が無いわけですが、
遊びだからこそとことん捏ね繰り回して妄想してみるのが面白いところでもあります。

まー私の場合、まず先に経済的制限がかかりますので、これが最大の難関でもあります。
ベニア主翼なんて正にその妥協の産物です。
「安くて重い」が取り柄の主翼です。