恵文社一乗寺店 | 京都1975

恵文社一乗寺店

エンゲル係数高げな食いしん坊エリア・一乗寺にて、唯一文化的且つ芸術的アロマを発する、なんともけったいな本屋、それが「恵文社一乗寺店」である。
西大路駅の側にも系列店 が存在するが、こちらはいたって普通の本屋。「鳶が鷹を生む」ではないが、突然変異で誕生したのがこの一乗寺店 ということになる。
いい感じにアンティーク感が漂う店内は、その半分が雑貨屋及びギャラリーになっており、その道の人にはたまらない、好奇心くすぐり系のスペースとなっている。書籍のラインナップも、建築、デザイン、アート系が目を引く、通好みのセレクトとなっている。買うべき本が明確に決まっている前提で向かう本屋というよりは、なんとなく入ってみて、思いがけず素敵な本に出会ってしまう系の本屋、と言えるであろう。
開店当初からこの本屋に通い続けている私であるが、ふとしたことで興味を持ち、探していたヘンリー・ダーガー の作品集が、当たり前のように陳列されているのを発見したとき、改めてこの本屋の懐の深さを知った、という経験があったりする。いずれにせよ、満腹中枢を満たした後は「恵文社一乗寺店」で知的好奇心を満たして心身共に中和を計る、それが文化人的・一乗寺の歩き方である。