2021.10.18(月)vol.85
気温が急に下がって出張を前に着るものが
揃えられずワタワタ💦
〜「自分らしい」が最強で最高〜
ファシリテーターの
“This is ME” 太田千郷です。
気温が10度急降下するよりも
衝撃度の大きい父からの告白をされた
昨日↓の続き。
駆け落ち事件の真相
・・・何を言っているんだこの人は・・・
目の前にいるのは
スナックの女の子じゃなくて
あなたの娘ですけど?
父曰く、高校生のときに
付き合っていた彼女は良家の子で
当時の父はヤンキー。
結婚はおろか付き合っていることも
大反対されていた。
高校卒業を控えた父と彼女はこのままでは
結婚できない、と駆け落ちを画策。
待ち合わせの時間と場所を決め、いざ!
というその日、
父は約束の場所に
行かなかった。
家を出る前にこれで駆け落ちしたら
この先働いてこいつ(彼女)を
食わせていかんといけんのか。
それは大変じゃなぁと思ったら
面倒くさくなってな。
あー、今思い出しても
あれは卑怯じゃったなー
そう語る父はそれでも変わらず
明朗である。
過去のクズっぷりと
それを実の娘に楽しげに語る父の真意が
全く見えない。
不思議なもので
父があまりに明るく話すものだから
空気が全く淀まない。
駆け落ちが未遂になったのは
直前で誰かが病気で倒れたとか
そういう恋愛ドラマみたいなものでは
なかったわけだ。
事実は小説より奇なり。
深イイ話に・・・?!
人生で一番の後悔は
母の前に付き合っていた彼女と
駆け落ちしなかったこと。
母との離婚や私たち子どもと
一緒に暮らせなかったことって・・・と
口には出した訳ではないのに
心の声が聞こえてしまったのか
父が続けた。
例えばな。
お父さんの同級生の中で離婚したのが
お父さんだけだったらお父さんが悪いと
思ったかもしれない。
でも離婚したやつなんか
いっぱいおるじゃろ(・∀・)
そりゃあ、子どものお前らにいわゆる
親らしいことができんかったのは
すまんかったと思う。
それでもな。ワシは思うんじゃ。
親は親の人生、
子は子の人生( ̄▽ ̄)
だって、お前なんか、
ワシは何もせんかったけど大学出て
立派に働いとるじゃない。
親はなくとも子は育つ
お前を見とったらホンマにそうじゃと思う。
うんうんと
自分の話に納得してうなずく父を見ていると
何だかもっともな話に聞こえてくる。
いくらかイイ話に転ぶのかと思いきや
そんなにできたシナリオにはならない。
明らめの転機
人間、驚き過ぎると
頭の中の枠が外れていくのかもしれない。
この人に自分の常識は通用しない。
そして親の人生は親のものだと
スッキリ霧が晴れたように直観で確信した。
諦めるは明らめるである。
ここまでくるとクズ話も清々しい。
その夜、父と私は同じ時間を
全く違うルートで笑い合って過ごした。
父の話は終わらない。
お父さんとお前のお母さんは
離婚したらもう他人じゃ。
でもお前とお父さんは死ぬまで親子じゃ。
誠之も明日児も、清美だってそう思っとる。
(弟2人↑ 再婚相手の娘↑)
お前のお母さんが誰かと再婚して
お前がその人のことを
お父さんと呼んだとしても
お父さんはお前のお父さんで
お前はワシの娘じゃ。
それは死んでも変わらん。
その日、寝場所になった父の書斎で
古い受験雑誌を見つけた。
司馬遼太郎の歴史小説をはじめ、
その手の本がずらりと並ぶ父の本棚には
不似合いだったのですぐに目についた。
ランキング表に付箋がはさんである。
開けてみると時間の経過で薄くなっている
蛍光マーカーが引かれていたのは
受験のときに私が行きたかった大学だった。
父の同級生には予備校に勤めている人がいて
雑誌の発行元はその予備校だった。
私が買ったものじゃない。
離婚の原因になったのは間違いなく父。
明朗勝手な父をキライになれず
寂しい気持ちも埋まらなかった
子どもの頃。
たった一晩の父の独演会。
9割方クズ話だったのに
最後にこんなものを残しておく
父はやっぱり卑怯だ。
それでも
自分は愛されていたと思えたことは
その後の苦しい局面を何度も救ってくれた。