壁に掛かった丸型の時計

白い40インチのテレビ

カウンターキッチン

これといった特徴のないこたつ



本棚の上からみえる景色はそれが全てだった



僕はその暦7年の中堅まねき猫、名前は無い

ご主人のトオヤは僕のことを「タマ」や「チビ」と呼ぶことがあるけど、それもその時限りのあだ名みたいなもので、正式に戸籍登録されたものではない

あくまでただの「まねき猫」

それ以上でもそれ以下でもない



まねき猫が右手を挙げているとお金、左手を挙げているとお客を呼ぶと言われている

僕は左手を挙げたタイプのまねき猫だ

ただし、まだまだ中堅まねき猫である僕の集客能力は極めて低い

トオヤは友達が多く、よく友達を家に連れてきて鍋なんかをつついているが、それはトオヤが友達を呼んだからであって決して僕の左手の効果ではないのだ



ぼくの集客能力の低さを語るには、集客能力を決めている要素の説明からする必要があるだろう





つづく