
年々、特別なものではなくなってきた。
むしろ、少し気恥ずかしくて、
あまり得意ではない日になっている。
祝われることにも、どこか慣れていない。
プレゼントをもらうのも、
どこか落ち着かない。
それでも旦那が、こう言ってくれた。
「何もしてあげられないけど、
美味しいもの買って食べて」
その一言が、やさしかった。
お昼は、はま寿司でたくさんご馳走になり、
夜はお腹がいっぱいだったけれど、
ケーキとピザとサラダを用意した。
シャンパンと、大好きなギネスビールも添えて。


自分で買って、自分で整えて、
旦那を招く、セルフ誕生会。
少しおかしくて、でも悪くない。
ボサノバを流しながら、
旦那の食事を手伝い、
ときどき言葉を交わす。

あとは、ただ、ぼんやりと過ごす。
旦那は病気になってから、
言葉が出にくくなった。
昔は、二人で飽きるほど語り合っていたのに、
今はその時間が、静かなものに変わった。
少し、寂しい。
それでも今朝、誕生日の朝に、
ひとつのひらめきが降りてきた。
静かで、確かなインスピレーション。
これを、二人でやってみようと思う。
今の旦那にも、きっとできる。
誕生日を祝うことは得意ではないけれど、
今日は少しだけ、違うふうに感じている。
私は、この世界に生まれてきた。
そして今年も、こうして生きている。
それだけで、十分なのかもしれない。


