前回は前半タイムXと後半3ハロンタイムYについての限界曲線Y=a*b^x+cを求めたところまででしたが、今回は限界曲線から最適なペースを割り出そうというプロジェクトです。

どうすればよいかというと、
限界曲線Y=a*b^x+c -----(1)
前半タイムX,後半タイムY,走破タイムtとすると X+Y=t
直線 Y=-X+t -----(2)
走破タイムのtが最小になるには,直線(2)の切片tが最小になればよいのです。
よって限界曲線(1)と直線(2)が接する時がt(走破タイム)が最小となります。

TigerOddsの最終レース日記


ここからは数学の計算ですね。
(2)を微分するとY'=-1ですから傾き-1
(1)を微分するとY'=a*b^x*log(b) ------(1')
(1)と(2)が接するときは接点での傾きが一緒だから
a*b^x*log(b) =-1をxについて解けば良い。
(計算略)
x=log(-1/a*log(b))/log(b) ------(3)

これで前回にa,bの係数を求めているので各コースの最適な前半タイムと後半タイムが数学的に導かれる。

それでは東京1600m芝の限界曲線と接線の図です。
限界曲線の式はy=310852588896777535588*0.93^x+328.25
最適前半タイムは57.6 後半3ハロンは34.1と理論上の数値がでました。
このくらいのペース配分が東京のマイルでは理想的だということです。

TigerOddsの最終レース日記

さて実際の東京1600芝のレコードタイムは2012年6月3日安田記念の1着ストロングリターンの前半57.5 後半33.8の1分31秒3です。だいたい理論値に近い数字ですね。

他のコースも全部出してみましたが、サラブレッドが極限の力を出すレースはG1が行われていないとデータが取れません。ということでデータの多いクラスのデータから限界曲線を出したほうがよいのか今迷っています。ダートと芝の違いやコースの違いなど面白い結果が出てます。