斤量と走破タイムの関係についてお話します。
一般的に、斤量は1kg増えると1馬身(0.2秒)違うと言われています。
これはスピード指数の元祖アンドリューベイヤーの本に書かれているため、
西田式でも1Kg=0.2秒となり、この公式がスピード指数派の通説になっていますが、
この公式は日本の芝コースではなく、
20年から30年前のアメリカダート競馬で計算されたものではないかと考えます。
本当に斤量1Kg=0.2秒差なのか?
そこで、過去15年のJRAのデータから、
1)3歳以上の同一馬が同じコースを走った時、コースを走った間隔が30週以内のレース
における斤量と走破タイムの関係を調べてみました。
全競馬場のデータを計算しましたが、ここでは函館と中山の芝のデータを
ご紹介します。数字は1Kgあたりのタイム差です。興味深い結果がでました。
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函館1200芝,0.02
函館1800芝,0.189
函館2000芝,0.246
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中山1200芝,0.095
中山1600芝,0.085
中山1800芝,0.112
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函館1800、2000では公式どおりの値がでました。
しかし中山では斤量が増えても函館ほどタイム差がないという結果が出ました。
それはなぜでしょうか?上り坂と下り坂の配分で違いがでるようです。
例として中山1600m芝の場合、スタートから1400m地点まで下り坂、残り200mが上り坂。
このコースでは重い斤量を背負っていても、下り坂が多いので、1kg=0.085秒
次に函館1800m芝の場合は、スタートして600m下り、800m上り、400m下る。
中山1600mと比べて、コースに対して、上り坂の比率が高い
だから1Kg=0.189秒となるわけです。
結論として、
1)上り坂が多いコースは斤量が重いと、タイムは遅くなる。
2)下り坂が多いコースは斤量が重いと、タイムが速くなることもある。
斤量の影響が少なくなる。
中山1200mや1600mのハンデ戦は、トップハンデ馬が活躍し、
函館2000mのハンデ戦では軽ハンデ馬が勝っているという事って
あるのでしょうか?調べてみたいと思います。
3)斤量1Kg=0.2秒差はもう時代遅れのデータです。
コースによって、距離によっても代わります。
日本のコースは軽い馬場が多いので、もうすこしタイム差は少ないものです。
「斤量1Kg=0.2秒差」を信じてると、
中山のハンデ戦で軽量馬のスピード指数が能力よりも高いんだぜぇ(^-^)
そのスピード指数ワイルドだろぉ(^-^)