斉藤由多加氏著
「ハンバーガーを待つ3分間の値段 ゲームクリエイターの発想術」
を読む。
著者は、「シーマン」「タワー」の作者として名高いゲームクリエイター。
本書は、ゲームのアイデアの出し方などを概念的に取り扱っている。
どういう風にゲームのアイデアを出すのか、ということから始まり、
一見ゲームとは関係ない話題を持ち出しながら、
それが制作過程に通じるような話になっている。
まだ読み途中だけど、かなり面白い。
紹介がわりに、印象的なフレーズを抜き出しておこう。
”「情報量が多いこと」はリアルとはならない"
(p52 「タワー」が「リアルである」という評価についてのコメント)
”コカ・コーラが本当においしいかどうかなんて考えてはならない”
(p104 ブラインドテストでペプシに負けるコカが
市場で優位にある理由について)
”その鍵になったのは、彼らが無線機を「電話」と命名したこと”
(p112 携帯電話がヒットした「隠れた理由」について)
一見して、ゲームとは関係なさそうだが、どっこい、
似たような話が、ゲームを作っていると起こるのである。
いずれも、私の実体験に通じる部分が多く、
商品企画の問題がゲームの設計と同じような事情に
陥りやすいことがよくわかる。
自分が過去に体験したトラブルと照らし合わせて、
「そうだ! まさにそのとおり!」と手をうちたくなった内容だ。
扱っている問題は、ゲームの設計と問題の根幹が非常によく似ているものばかり。
「オレも似たような経験あるよ!」と語りたくなってしまう内容ばかりなのだ。
実際にゲーム作りを体験したひとであれば、
「ああ、あれはやっぱりよくなかったんだな。この例と同じ状況だ」と
思い当たる記述が少なからずあるのではないだろうか。
……ただ、まだそういう場にいない人が読んで、
役にたつか、面白いか、といわれると、ちょっと自信がない。
開発経験者には手放しでオススメしたい。
未経験者は、お好みでどうぞ。