モーニング連載の「東京トイボックス(*1)」が面白い。

面白すぎる。

もう、回を重ねるごとに面白くなっていくのに、

どんどん連載の場所が悪くなっていく……。


面白いのになあ。人気ないのかなあ……。

やっぱり、私がこれを「面白い」と感じるのは、

われわれにとっては「身につまされる話」だからなのか……。

知らない人にはわからない話なんだろうか。


ああ、いやいや。そんな話をしてもしかたない。

でも、とにかく、今週号(*2)は響いた(笑)。


ざっと筋だけ解説すると、今は、ゲームの移植の話。

ゲームの修正内容について、

主人公側の案が真っ向からつぶされ、

クライアントから別の修正内容を受ける。

主人公は、苦悩の末、「作れなくなるよりマシか……」と

その修正内容を受け入れる……。

受け入れる……が、やはり納得できない。

さて、その状態でどうするか……? そういうシーンだ。


その、「納得できない」状態の、

心理描写が……なんつーか、めっちゃリアルだ(笑)。


仕事やってりゃ、どーしても、「妥協」せざるをえないポイントがある。

そのとき、作り手が感じる思考がまさにそのまま書かれている。

まさに「あるあるwww」って感じだ。


「妥協」は必要。それは、しかたない。

だけど、十分に戦わないで妥協すると、

「やらされている感」と「思考停止」が襲ってきて、

モノに魂がこもらなくなる。


作中のこれ、まさにその通り。

でも、だからといってそれで「戦う」と、時間もなくなるし、

上からも目をつけられやすい……ああ、二律相反。

で、そうわかっていても、「~よりマシか……」でやらざるを得ない。


ホント、身につまされるヨ(涙)。


実際にACQUIREに取材をしているらしいけど、

よくここまで作り手の心境を書けるものだ……。



ホームページ を見ると、なんかもう連載前から

アンケートの結果次第での打ち切り予告が

すでになされている状況らしい。

出しますよ。ええ、出しますとも。

とにかく、いま一番「続いてほしい」漫画。


(オレだけかもしれんけど)主人公には無茶苦茶共感できる。

太陽と星乃の行く先も気になる。

それぞれの問題に、作中でどんな答えが出されるかも気になる。

「ゲームクリエイター」がネタにされた漫画の中じゃ、

ズバ抜けてリアルで面白い。


ここまで真っ向から「ゲーム作り」を書いた作品なんて、

一般誌じゃありえなかったし、今後出てくるとも思えないって!


ぜひとも、もっともっと書いてほしい。

そんなわけで、今日は応援含めた声援のエントリでした。

これを見た人、どーかひとつ、よろしくですm(_ _)m




(*1)「東京トイボックス」 作:うめ 

 業績不振のゲーム製作会社「スタジオG3」と

 その再生を命じられた「ゲームを知らない」女性。

 スタジオG3の社長を勤めるのは、「ゲームにすべてをかけた男」。

 熱い魂でゲームをつくり続けるが、

 納期は延ばす、上とはもめる、社長としては動かない、で

 会社はとうに悲鳴をあげている。

 そんな彼らの繰り広げる熱いゲームクリエイトストーリー。


(*2)モーニング1/31号 No.07