新年明けまして、おめでとうございます。


振り返ってみれば、2005年は、任天堂一人勝ちでした。

年末商戦だけみれば、他の陣営はバグだの、発売延期だので、

「内容で勝負する前」に終わっていた部分が

あまりに多すぎたという状態でした。


「作品で勝負する」という観点からすれば、

あってはならないレベルの話です。

そんな中で、クオリティはもとより、

ゲームとして新たな分野を切り開き、

目標としたものをしっかり成し遂げた任天堂が勝つのは、

いわば当然といってもいいことだったかもしれません。


1プログラマーにしかすぎない自分にできることは、

せいぜい担当作品のクオリティに気を配る程度ですが、

せめて皆様の手に届くときには、そういう状態にないことだけは

最低限心がけていきたいと思います。


……まあ、なっちゃうときはなっちゃうんでしょうけどね(笑)。




来年出るであろう、PS3は、いろんな意味で正念場になるでしょう。

・PS2のとき抑えていたゲームファン市場へのアピール力

・海外でのXbox360との競争力

・ゲーム市場全体を見据えたときの、任天堂陣営への対抗


PS3は、この3つを同時に求められる立場にたたされています。

他の2ハードが、自分の分野さえ抑えておけば安泰なのに対し、

PS3だけは、このすべてをカバーすることを求められてるのです。

トップシェアゆえに苦境であり、トップシェアに対抗する陣営が

これだけ隆盛だった状態というのは、

過去のゲーム史を見てもきわめて稀な状態です。


上の3つのポイントは、現段階では、

どれも「非常に厳しい」という状態です。

特に、既得権益であるはずの、一つ目……

ゲームファン市場へのアピール力は、非常に深刻な問題です。

ハードの姿が見えず、アピールとなるソフトも少なく、

また、DVD再生機としての需要があったPS2に比べ、

本体そのものの付加価値も、そこまで高くはない状態です。


ここから、SCEがどんな手をうってくるのか。

PS2の頃のシェアを守る形になるのか、

それとも、他の分野に推し進めていけるのか。

興味深く見守りたいと思っています。



今年も、よろしくおねがいします。

                           2006年 元旦