不倫被害の奥さんの代わりに弁護士さんと相談するために、オフィスの外で待っている時、「裁判所へ行ったら、物語を言わないでくださいね。そこまで言うと、相手がお婆ちゃんの要望がますますわからなくなりますから。」って弁護士さんの優しい声が聞こえました。
台湾語では「ゴン・ゴー・ス(說故事。物語を言う)」という言葉で「長すぎて余計な説明」を表現していますね。
お婆さんは弁護士さんと相談した時に、感想や感情まで細かく言ったので、弁護士さんに注意されました。
両親と病院にいた時には、よくこのエピソードを思い出しています。
両親も、病院の方に相談するときに、感情から細かく言ったので、病院の方はいつも笑顔だけど、明らかに「えっ?だから?ご用件は?」という顔でした。
「物語」を言う理由は「迷惑をかけたくないですが、やむをえない事情がありますから頼むしかありません。嫌わないでください」という心です。
でも、弁護士さんや医療者さんなど多忙な方に対して「物語」を言うと、そちらは「まだたくさんの仕事があるのに」「雑談する暇がないよ」って苛立ちますね。
だから、両親とお医者さんの間に、トラブルが少し起こったことがあります。
初めて退院した日に、病院に着くと、担当の看護師さんが泣きそうな顔で「助かりました!来てくれてよかったです!」って助けを求めてきたのです。
えっ?!!!!
お父さん!お母さん!何をやったのでしょうか?
その場で手続きを進めるために詳しく聞くことができなかったのですが、後で両親に聞いてみたら.......
心臓科の次の診療に合わせてリハビリテーションの診療を予約してから、リハビリテーションの先生はあの日に休みを取ったので、別の日に予約してくれました。
そうすれば、心臓科の診療とリハビリテーションの診療が違う日になって、通院時間が長い両親にとって大変ですから、「同じ日にしてほしいです」という要望を伝えました。
「了解!」ってリハビリテーションの先生が心臓科の診療日付を変えました。
「えっ?!心臓科のほうが重要ですよね?心臓科の先生と相談せずに日付を変えるのがやばいですよね?」って両親が聞いたら、リハビリテーションの先生は苛立って両親を診療室から追い出しました。
えっ?!リハビリテーションの先生がひどい!!!って、びっくりしました。
でも、病院側からもらった情報を一緒に考えると、なんとなくわかりました.......
大人気の病院、そして、大人気の心臓科名医なので、診療を予約するなら、とにかく予約しておくという感じで手配していますから、おそらく、リハビリテーションの先生は心臓科の先生と相談せずに心臓科の診療日付を変えるのではなく、複数の予約をとってから、心臓科の先生と相談するつもりだと思います。
つまり、両親の要望に沿ってやってくれましたね。
では、どうしてトラブルになってしまいましたか?
両親に「事情聴取」をした時に気がづきましたが、
両親は、細かい感想や感情を挟んで要望を伝えたので、病院側はますます何を求めているかわからなくなって、「要望に沿ってやっても文句を言い続ける理由は?じゃあ、どうすればいい?」って大混乱になったのです。
そう。
その「迷惑をかける理由の説明」と「先生のやり方を確認するための質問」は細かすぎる感想や感情の表現で、文句のように見えました。
そして、納得いかないお母さんは、また担当の看護師さんに確認しましたが。
それも、細かすぎる感想や感情の表現でクレームのように見えました。
リハビリテーションの先生、心臓科の先生と患者さんの間に挟まれた担当の看護師さんは新入りなので、大変だったと思いますね。
だから、泣きそうに助けを求めてきました。
それ以来、こういう状況を予防するために、お姉ちゃんといろいろ頑張ったので、二度とトラブルが起こったことがありませんが、よく弁護士さんのところで聞いたその会話を思い出しました。
私は「感情や感想を細かく言わないでください。命を救うために多忙な医療者さんに肝心なことだけ言えばいいです。」って両親に伝えた時には、「どうして私たちより他人の味方をするの?」ってお父さんに怒られました。
お父さんは、人が自分のために頑張っている妻のことを責めるのが許せないので、そのような言葉に敏感に反応するようになりました。
娘としては、「ママを守ってくれて、Good Job!」と思っていますが、またトラブルが起こったらどうしようと心配してしまいますね。
だから、たまには、そのはっきりと「物語を言わないで」って優しく言える弁護士さんを、両親に紹介してあげたいと思います。