日本は台湾より先進的な国ですから、健康についての知識も日本から勉強したい台湾では、日本の健康書籍訳本がとても人気です。
その中にも漢方的な書籍があるので、きっと日本でも漢方が普及していると思いましたが、実際には違うらしいですよね?
最近翻訳している書籍には、漢方についての文章を見て、漢方が日本でそんなに普及してないことを感じたので、台北人の編集者さんに仕事を提出した時に、台湾人から見るとちょっと違和感があるかもしれないところを教えたら、
「台北人も漢方をそんなに気にしてないよ!」って言われました。
.....えっ?!本当?
やっぱり、台北とは違う世界ですね(笑)
とにかく、ここでは台北以外(たぶん)の台湾人の日常によく登場する漢方常識を紹介したいです。
*ここで紹介するのは、台湾人の日常でよくある考え方です。漢方に興味のある人や体に悩みを持っている人は漢方医のアドバイスを求めてくださいね。
「補」ということ
漢方では「補血」、「補気」などの言葉があります。
台湾人は病気の後、大変忙しい時には「補一下」と言います。
それは、体が病気や仕事でエネルギーが大変消費されたので、不足のエネルギーを足す意味です。
漢方医の専門知識をもってない一般人は「補一下」と言う時、ほぼ栄養をたっぷり摂取することです。
体を「補」する料理
「補」と言えば、麻油鶏など鶏肉のスープ、豚の足、卵、海鮮のスープなどの料理。
そして、「補」する時の料理はシンプルじゃなくて、クコ、赤いナツメ、当帰、チョウセンニンジンなどの漢方材と一緒に調理します。
例えば、産後ケアの料理。
産後の女性は体が弱くなったし、哺乳のためにもっと栄養を摂取する必要だし、産後ケアセンターを利用しなくても、産後ケア料理専門店の料理の出前を頼みます。
産後ケア料理は鶏肉のスープだけでなく、野菜もクコや生姜と一緒に炒めます。食後も黒豆茶など体にいいデザート系を提供します。
「補」してはだめな時
「補」と言えば、ほとんど血行をよくする食材ですから、どんなに体によくても、過度は禁物ですね。
漢方的には、寒性体質と熱性体質があります。
熱性体質というのは、体の中に火があるような感じで、血行がいいですが、鼻血、口内炎などの症状が出やすいし、すぐに苛立ちになって落ち着くことができませんね。
だから、台湾では細やかなことで怒る人には「火気大?」と聞きますよ。
それは「体の中の火が抑えられない?」という意味だから、「涼しい飲み物を飲んでみたら?」ってアドバイスすることもあります。
ということで、鼻血、口内炎などの症状が出やすい人、すぐに怒る人なら、しばらく「補」する料理を食べないほうがいいですね。
そして、「血行を良くすること=炎症を激しくする」と信じてるので、ケガ、産後一週間なども「補」する料理を食べません。(野菜の炒めなら大丈夫。)
生理や妊娠する時にも、漢方材をたっぷり入れるスープを飲まなくて、具材のみ食べます。
飲んだらすごく出血する人がいるらしいですね。
さらに、心臓や血管などの病気を持っている人も、「補」する料理を頻繁に食べません。それは血行が良過ぎると心臓や血管に負担がかかりすぎることを避けたいですから。
まだまだたくさんありますが、台湾人の日常ではだいたいこんな感じ。
私は病気になるとやっぱり西洋医学を選んで、症状を早く抑えたいし、日頃の食事は肉、卵、野菜で楽しく基本的な栄養を摂取したいし、特に漢方的な食事をとっていません。
でも、時々家族や友人のために料理を作るので、相手が高齢者、妊婦や持病者だったら、やっぱり漢方医学の視点からも配慮した方がいいですね。