【台湾フリーランス】出版社との始まり | 台南在住日記とか

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Made in Taiwan, Live in Taiwan.

 仕事についての日記をずっと書きたかったんですが、でも、台湾でのSNSで自分の翻訳作品を載っていますから、すごく気を付けても取引先に迷惑をかけるかもしれませんから、書かなかったんです。

 

 でも、ここでは私を知っている人がいないし、フリーランスで経験した事件の記録だけだったら大丈夫だと思いますね。

 

 だから、【台湾フリーランス】のテーマで少し自分の経験を語りたいです。そして、日本の書籍を言い及ぼすこともありますから、具体的な内容や書名などを言いませんが、もし日本人として失礼だなぁと思う言葉や内容があったら、ぜひご指摘お願いしますね。

 

 小学生の時代には父が持っている金庸の武俠小說が好きで、作家になりたい夢がありました。高校時代まで小説を書いて、何度も投稿しました。

 

 残念ながら、全部失敗してしまいました。脳内の世界を魅力的な文字で表現する能力がありません

 

 そして、翻訳の仕事を始めると、小説を書いてる時と同じような喜びを覚えました。それは自分の手でひとつひとつの文字でまともな文章を綴ることです。

 

 だから、出版翻訳を目指して頑張っていました

 

 大学四年生の時、ある出版社の求人情報を見て、応募しました。千字くらいの文章をもらって試訳しましたが、失敗しました

 

 「翻訳が正しいですが、中国語の文章力がまだ足りないんです。」という返事がくれました。

 

 だから、毎日時間を作って、中国語の書籍の文章を千字くらい書き写して、一年間くらい頑張ってから、前に失敗した文章をもう一度翻訳して、その出版社に送りました。

 

 今度、出版社の編集者は電話をかけてきて、親切に不足の点を指導してくれました。

 

 「あなたの文章は、日本語の痕跡が濃いです。読者は台湾人ですから、この本が日本書籍から翻訳してきたことを知らなくても、気軽に理解できる文章でないとだめです。」

 

 編集者の指導を銘記して、二年後にまた同じ出版社の求人情報を見て、もう一度応募しました。

 

 今度は、OKかNOか直接の返事ではなく、会社に来てって誘われました。

 

 出版社の会議室に入ると、副編集長一人の編集者がいました。優しい笑顔で文章の不足点を教えてくれてから、一冊の日本語書籍をくれました。

 

 「この本は来年出版する予定です。でも、毎週何ページの訳文を担当編集者に提出して、担当編集者がいいと認める前に、次に進めることができません。それでもかまいませんか?」

 

 すでに社会人ですから、そうすると収入を影響するかもしれませんが、学生時代で貯めた貯金があるし、編集者が時間をかけて指導してくれるチャンスも滅多にないし、喜んで受けました。

 

 最初の一カ月間が苦しかったんです。

 

 文章を何回書き直しても、担当編集者に厳しい態度で却下されてしまいました

 

 「中国語らしい文章ではありません。」

 

 どう考えてもわからないある日、いっそ小説を書く感じで翻訳しました。もともと翻訳って日本語の文章が中国語の文章との言葉を順番に対応しないと誤訳になると思いましたから、日本語の文章を意識しすぎました

 

 だから、今度は日本語の文章を読んで、脳内でまとめて、著者が言いたいことを理解して台湾人としてどんな言葉遣いで人に教える?って考えて、中国語の文章を書きました

 

 結局、この前にイライラした担当編集者が大喜びました。

 

 「何かありましたか?まるで別人みたいです。」

 

 自分のやり方を教えたら、担当編集者がうんうんと認めてくれました。

 

 「今朝の会議で編集長に報告しました。編集部のみんなはあなたの将来性に期待していますよ。」

 

 その時の喜びは一生忘れないと思います。

 

 それから担当編集者が二年かけて丁寧に指導してくれて、大事な基礎を築いてくれました。その時に学んだことを銘記して他の出版社の仕事を応募すれば、一度も失敗したことがありませんでした。

 

 最初に機会を与えてくれた副編集長と指導してくれた編集者は大事な恩人ですから、報酬がもっと高い仕事があっても、その出版社の仕事を優先することをこだわっています。

 

 その後、出版社は同じ方法で経験の少ない翻訳者を指導しようとしましたが、「出版社は自分が偉いと思う?うるさい!面倒くさい!人を馬鹿にしないでよ!」って掲示板で苦情の記事を投稿されて、「まるでブラック出版社ですね!その出版社の本を購入することをやめましょう!」って一時炎上したことがあります。

 

 「自分の経験を掲示板に投稿しましょうか?そうすれば、誤解が解けますよね?」って編集長に提案しましたが、編集長が微笑んで断りました。

 

 「あなたまでも巻き込まれるつもりがありません。会社のことを心配しないで、それが我々編集者の仕事ですから。」

 

 実は大した事件ではありませんでしたから、しばらくほっとすれば静まりました

 

 でも、それから出版社は方針を調整して、最初から指導が必要のない翻訳者のみ雇うことになりました。

 

 中国語には「彼之砒霜,吾之蜜糖」という言葉があります。

 

 他人にとっては毒薬だけど、自分にとっては甘い飴

 

 まるでこの事件を話していますね。