僕は塾を経営していて悩んでいることがあります。
学校のテストごとに点数が上がった、下がった、と騒いでいる方が多いようですが、
ちょっと待ってください。よーく考えてください。
たしかに、数字だけを見れば上がったり下がったりしているようにみえるでしょう。(たとえば、80点 → 50点)
でもこれは、
中間テスト 期末テスト
社会 → 社会
80点 50点
中間テスト 期末テスト
理科 → 理科
65点 42点
中間テスト 期末テスト
数学 → 数学
72点 48点
こういう見かたで子どもの努力量を判断していませんか?
おそらく、この見方が一般的だと思います。
でも、よーーーーーーーーーく、考えてみてください。
受けるテストの内容は、以下のように毎回違うはずです。
社会のテスト
中間テスト 期末テスト
地理 → 歴史
80点 50点
もっというと、
歴史のテスト
中間テスト 期末テスト
室町時代 → 江戸時代
80点 50点
たしかに、上の図を見ると点数自体は下がっています。
しかし下の図のように、その分野についてはまだ授業で習っていない0点のときから比べれば、点数は上がっていると言えないでしょうか。
習う前 テスト
地理 → 地理
0点 50点
習う前 テスト
江戸時代 → 江戸時代
0点 20点
もしまったく内容が同じテストを受けて点数が下がったのなら、悲観的になることも仕方がないかもしれません。
しかし、子どもが何も知らない知識ゼロの状態から歴史のテストで20点を取った。これは、その子にとっての進歩であり、成長なのではないでしょうか。
もし、残りの80点分の知識がその子の人生において、どーーーーーーしても必要なことであれば、テストが終わってからでも勉強すればいいんじゃないでしょうか。
でも、ほとんどの人はそうはせずに次のテストの点数のことしか頭にないですよね。
もしテストに出る内容が子どもたち一人一人の人生に必要なことだとしたら、なぜテストが終わったらそのことを勉強しなさいと言わないのでしょうか。
なぜ、子どもたちは貴重な時間を費やして勉強しているのに、テストが終わると学んだことが理解できたかどうかは別にして、もうそのことは過去のことにしてしまうのでしょうか。
要するに、子どもたちが学ぶことを通して幸せになることを望んでいるのではなく、点数しか求めていないからです。(点数がいいと将来、確実に幸せになるのでしょうか。)
だって、子どもたちにとって必要なことだから学校で学んでいるんじゃないんですか?
だったら、その必要なことを理解させて卒業させるのが大人の役目ではないでしょうか。
親はテストの点数を見て、子どもに「もっと勉強しなさい」、「次のテストで点数下がったら~禁止」と高圧的に子どもに命令してしまいますね。
僕はこれが反抗期をつくり出している原因の一つだと思っています。
子どもが反抗するのは当然ですよ。
僕は反抗期なんてないと思ってます。親が勝手に作っているだけです。
子どもが反抗したくなるような叱り方、接し方をしているだけです。
子どもは親が好きです。ちゃんと接していれば反抗期なんてありません。
なぜ、生まれてからある時期まではかわいい、かわいいと接していた自分の子どもに、
急に中学生になると豹変して勉強に対して厳しくなるのでしょうか。
「もっと勉強しなさい」と言う親は、同じテストを受けて何点取れるのでしょうか。
どのくらいの親が、子どもに勉強しなさいと言えるくらいの点数を取れるのでしょうか。
親ができないのに子どもに勉強しなさいと言ったら、当然反発する可能性は高いはずです。
お願いがあります。もう勉強しなさいはやめましょう。
子どもはもともと学ぶことが好きです。それを大人が嫌いにさせているのです。
もう不毛な親子喧嘩はやめましょう。愛する我が子なのですから。
小学生よりも高校生よりも中学生がいちばんそういう傾向が強いと思います。
お願いがあります。もっとのびのびと楽しく学ばせてあげてください。
一刻も早く教育界に平和が訪れることを祈っています。