『でもこれだけは絶対見るわよ!すっごい楽しみ!』
指差したのは、翠と焔の天覧試合。第1位と第3位の直接対決が見られるなんてビッグイベント、いままでにもそうなかったことらしい。2位の雲じゃないのは、自分の主の補佐で大変だから出られなかったんだろうけど、それにしたって凄いことだ。ちょっとあきらめモードな俺だって、この試合だけは見る!・・・ってか、天覧だから席があるんだけどね。
あきらめモードなのはなんでかって言うと、それは架月城の手伝いにやってきた、わりとはじめの頃のこと。俺が作る場所の内容を姉ちゃんに説明されてる時だった。
『こんなに屋台出るの?すっげえ楽しみ!』
『あんたまさかこんな所うろうろする気じゃないわね?!』
『え?ダメなの?』
『当り前よ!あんた三宮をなんだと思ってるの!大勢のひとがいるような場所でふらふらしてたら、大騒ぎになるわよ!』
大騒ぎって・・・
『ウグイスでもダメなの?』
『ダメです!』
『どうして!』
そんなに頭ごなしに言うことないじゃんか!
でも姉ちゃんは非情に指摘する。
『あなたのその瞳は隠せないでしょ』
『・・・』
みんな瞳の色は、必ず見る。それでどういう人なのか分からないまでも見当をつけようとするからだ。人を見るときは瞳から。それから姿かたち、話すこと。
インペリアルトパーズが俺の瞳ってことは誰もが知ってることだ。もちろん、天域中に同じ石の人間がいないってわけじゃない。でも、インペリアルトパーズ、しかも子どもだったら自然と俺を想像する。確かにそういうものかもしれない。
『サングラスとかかけたり・・・』
むなしく抵抗してみたけど、あっさり『ダメです』と返されてこの話は終わり。それ以来俺のテンションは下がりっぱなし。菫も別行動だしさぁ・・・