ロマンティックエロティックグロリアス -20ページ目

『辛かったんだな――こんな小さな子供にはやっぱり親が必要だよ』


私の頭をなぜてお父様が言った。


『そうじゃないけど・・・』


いっぱい泣いてしまった手前、絶対違うとは言い切れなかったけれど、本当にそうじゃないと伝えたかった。


『ずっと楽しかったよ』


お母様はまだスカートを抱きしめている私の背中に両手をあてて撫でながら、優しく言った。


『そうね。でも、ひとと違う暮らしで、気づかないところでたくさん我慢しちゃったのかもしれないわね。長い間、ほんとに頑張ったのね』

『お母様・・・』

『偉かったわね、菫』


お母様って――

お母様って、私がわかんないことまで、どうして分かっちゃうんだろう・・・

その言葉を聞いたら、その通りだったかもしれないことに気が付いて驚いた。

お母様って不思議。

お母様ってすごい。


そうしてお母様は私を抱き上げて、ふんわりぎゅっと抱きしめてから、『さぁ、行きましょうか』とお父様に微笑んだ。