ロマンティックエロティックグロリアス -170ページ目

道場への道は昨日の石垣のあるところを通る。

私は探したけど、彼はいなかった。

でも、きっと緑子様の弟なんだ、彼は――そう思いながら道場へ急いだ。


道場には友達の茶々がいて、稽古の昼休みの時、お弁当を食べながらないしょで昨日のことを話した。すると、茶々はこう言った。


『あ、その子!こないだ海ちゃんがキスされたって言ってた!トパーズの子でしょう?!あと繭も!お兄の友達なんだよ』


がん!


私は頭を強打したようなショックで目がチカチカした。



私だけじゃなかったんだ!

あちこちで目に付いた女の子にキスしちゃうような子だったんだ!

そんな男の子に初めてのキスをされて、しかもうっとりしてしまった!

あんまりショックで恥ずかしくてどうしたらいいか分からなくなった私は、午後の稽古も身が入らず、素直に家に帰れなかった。茶々と遊ぶ気にも当然なれずに、ひとりで家への道を逸れ、家々の屋根伝いに走り、近くの小高い丘まで登った。


町を見下ろす丘で膝を抱えて座り、風に吹かれた。


どうしてあの時嫌がったりしなかったんだろう。

私はどんな風に見えていたのかな・・・

海ちゃんも繭ちゃんもかわいい子だ。

自分がかわいいと思ったことはなかったから、余計に暗い気分になった。

茶々のお兄ちゃんの友達ってことは、茶々と遊んでたらまた会うかもしれない。

そんなことになったらどんな顔したらいいの?


ぐるぐる考えていたら、急に背後から声をかけられた!


『よく会うな』


飛び上がるほどびっくりした!

振り向くと一本だけ立っている大きな木の枝から身軽に降り立ったのは、きのうのトパーズの男の子!