ロマンティックエロティックグロリアス -140ページ目

お父様は紅の瞳を見て、インペリアルトパーズに気がついた。


『・・・あいにくですが・・・娘はまだ幼い。侍女を何人かお連れになっては?』


紅は鼻で笑って、


『こっちもまだ9歳だよ。それに見も知らない女がぞろぞろいても楽しくない。女じゃ遊び相手にもならないしな』


と言った。

私はそういう意味でも必要とされていたことを知った。


『・・・娘には幸せになってもらいたい・・・華瑶苑では夫もみつからないだろうし・・・』


紅の心が軋んだ。


きっと、夫であろうとしてくれていた・・・でもそれは、言葉にはできない・・・


『・・・菫は幸せにする』


紅はそれだけをやっと口にした。

心いっぱいでしてくれた約束――


でもお父様は紅の気持ちに気づいて、難しい顔をする。


『紅子様・・・』


あぁ!紅の胸がつぶれそう・・・!

その名で呼ばないで!その名を拒むことが紅にはできないのだから!

あぁ、それなのにお父様は更に追い討ちをかける。


『・・・貴女は女ですよ』


その時湧いた哀しみ――私に聞かせたくなかったが為の!

なんていう哀しみ!・・・でも紅は泣かない・・・男の子だから・・・!


『菫・・・』


紅は私に微笑みかける――あなたの心はそんなことができる状態じゃないのに!

彼は言いかけて泣きそうになり、うつむいて、『キスしてごめんな』と言ったと思うと窓から部屋を飛び出した。


あまりの哀しみに私はすぐに動けなかった。


紅を傷つけてしまった・・・!

あんなに深く傷つけてしまった・・・!

紅はそんなこと、百も承知だったのに!

わざわざ私の前で口に出した――


『お父様・・・!』


お父様は私を抱きしめる。

私を逃がさないとでもいうように。


『お父様・・・!許さないわ・・・!』