ロマンティックエロティックグロリアス -130ページ目

離れた場所で透の気配を感じた。

今にも帰ろうとするような、頼りない気配だった。

紅を振り返ると、沢山の友達に囲まれてじゃれあうような、泣きながらの友達の言葉を笑って受け止めるような、そんな集団の真ん中にいた。

私は透のそばまで行って、袖を引っ張った。


『・・・菫・・・』


私に気づいても、浮かない顔はそのまま・・・


『透はお別れ、しないの?』


紅のことが大好きなのは知っていたから、聞いてみた。


『俺は行かない・・・』


でもその瞳は切ないほど紅を見つめて離れない。せっかくここまで来ているのに。

私の心がきゅうぅっと締め付けられる・・・これは、透の思い・・・


『どうして・・・』


私が言うと、透はバッと逃げ出すように走り出した。

ずいぶんと走って、走り疲れて止まる。

激しい息づかいに膝を折る。ぽろぽろっと涙がこぼれて落ちた・・・!


『だってあいつ、いいにおいなんだもん!肩だって手だって、柔らかいんだもん!・・・最後の最後に女扱いしたら、可哀想じゃないか!』