当代様が促して場を開き、みなはそれぞれ部屋へ帰った。
私達も、先ほどまで両親といた部屋に――もう姿のない部屋に、帰って来た。
ユカリ姉さまと緑子様と雲様――いや、竹宮様と松宮様と師範、それと私達。
後ろに扉が開く感覚がして振り返ると、栗宮様がいらっしゃって、紅を見た。
『疲れているところあい済まぬ。梅宮は今から華瑶苑に連れて行くぞ』
紅は今死にそうなくらい疲れている!
そんなひどいことはさせない!
私はそう思ったが、栗宮様の哀しい瞳を見たら、何も言えなかった。
お姉さま方も何も言わずに、紅を抱きしめた。
『守り石を交換しよう。お前になにかあったら、すぐに分かるように。わたくし達がいつも、お前を見ていると、気付くように』
さっきティアラを出したばかりの紅にはもうできないと思われたが、栗宮様が紅の額に手のひらを当てたとたん、紅の疲れはすこしづつほぐれていった。
小さなふたつの守り石を手渡し、また受け取ると、紅はちょっと切なくなって、でも『へへっ・・・』と笑った。
松宮様に小突かれて、紅は栗宮様のお側に寄り、私に手を差し出した。