
睡眠不足が招く「肥満」と心身の不調
― ホルモンと自律神経の視点から ―
中医学からみる「眠れない」の正体
― 気・血・陰陽のバランスと睡眠 ―
上記2回に続きまして今回は
中医学からみる不眠と睡眠不足
― 気・血・陰陽、そして経穴(ツボ) ―
中医学では
睡眠は気・血が全身を巡り
陰と陽が自然に入れ替わることで
成り立つものと考えられています。
夜になると陽は静まり陰が優位になることで
心と脳が落ち着き深い眠りへと導かれます。
しかし睡眠不足や慢性的なストレス
過労が続くと
この陰陽の切り替えがうまくいかなくなり、
「眠りたいのに眠れない」状態が起こります。
気の滞りと眠れない夜
ストレスや緊張が続くと
気の巡りが滞り(気滞)
体は休む準備ができません。
・布団に入っても頭が冴える
・考え事が止まらない
・夢が多く、眠りが浅い
こうしたタイプの不眠では
肝の気の巡りを整えること が重要になります。
鍼灸治療では
経穴(ツボ)太衝(たいしょう) などを用い
高ぶった気を落ち着かせ
巡りをスムーズにしていきます。
血の不足と途中で目が覚める不眠
「血」は心と脳を養い
安心して眠るための土台となる存在です。
血が不足すると
・夜中に何度も目が覚める
・早朝に目が覚めてしまう
・眠りが浅く、熟睡感がない
といった症状が現れやすくなります。
このような場合は
心と血を養う経穴である
神門(しんもん) や
三陰交(さんいんこう) などを用いて
心身を穏やかな状態へ導いていきます。
陰虚と熱を帯びた不眠
睡眠不足が続くと
体を潤す「陰」が消耗され
相対的に「陽(熱)」が強くなります。
・ほてり
・寝汗
・口や喉の渇き
・イライラ
・嫌な夢を多く見る
こうした症状を伴う不眠は
陰が不足して陽を抑えられなくなった
陰虚陽亢 の状態と考えられます。
鍼灸治療では陰を養い
過剰な熱を鎮める経穴を組み合わせ
自然な眠りを取り戻していきます。
睡眠不足と肥満の関係(中医学的視点)
睡眠不足は
気・血・陰を消耗させるだけでなく
消化吸収を担う 脾 の働きを弱めます。
脾の機能が低下すると
体内に余分な水分や脂が溜まりやすくなり
痰湿 が生じます。
その結果
・食欲の乱れ
・甘いものを欲する
・体が重だるい
・太りやすい
といった状態につながります。
睡眠不足は
中医学的にも肥満や生活習慣病の
引き金となるのです。
鍼灸治療で「眠れる体」を整える
鍼灸治療では
不眠のタイプ(気滞・血虚・陰虚など)を見極め
気・血・陰陽のバランスを整えていきます。
副交感神経を高め
心と体が自然に緩む状態をつくることで
「頑張らなくても眠れる体」へ導きます。
眠れない状態を放っておかず
体からのサインとして受け止めてみませんか。
質のよい睡眠は
キレイとゲンキを育てる大切な土台 です。
心身ともに心地よい毎日を過ごせるよう
鍼灸治療でお手伝いしていきます。
鍼灸治療では
その方の体質・生活背景・症状を
丁寧に見極、
必要なツボを選び施術を行います。
不眠に用いられる代表的なツボ
― 体質や症状に合わせて使い分けます ―
*神門(しんもん)
【手首・心を落ち着かせるツボ】
位置:手首の内側
小指側のシワの上にあり、
軽く押すとくぼみを感じるところ
(※イラスト参照)
中医学的な働き
神門は「心(しん)」の気と血を整える重要なツボ
心は精神活動や睡眠を司る臓腑で、
神門はその名の通り「心の門」を守る
役割があります。
こんな不眠
・寝つきが悪い
・眠りが浅く、夢が多い
・不安感や緊張が強い
・動悸を伴う不眠
精神的な高ぶりを鎮め
心を穏やかにすることで自然な眠りへ導きます。
*三陰交(さんいんこう)
【内くるぶし・血と陰を養うツボ】
位置:内くるぶしの一番高いところから
指4本分上の、骨の後ろ側
(※イラスト参照)
中医学的な働き
三陰交は「肝・脾・腎」
という3つの陰の経絡が交わる重要なツボです。
血を養い、体の潤い(陰)を補う作用があり
女性の体調管理にもよく使われます。
こんな不眠
・夜中に目が覚める
・早朝覚醒
・眠っても疲れが取れない
・冷えやすい・貧血気味
体の土台を整えることで
深く安定した眠りを支えます。
*太衝(たいしょう)
【足の甲・気の巡りを整えるツボ】
位置:足の甲
親指と人差し指の骨の間をたどり、
指が止まるくぼみ
(※イラスト参照)
中医学的な働き
太衝は「肝」の気を巡らせる代表的なツボです。
ストレスや感情の抑圧によって滞った気を解き、
心身の緊張を緩めます。
こんな不眠
・布団に入ると考え事が止まらない
・イライラしやすい
・夢が多く、眠りが浅い
・ストレス過多による不眠
頭に上った気を下げ
リラックスした状態へ導きます。
ツボは
「体質と不眠のタイプ」に合わせて使います。
不眠とひとことで言っても
原因や体の状態は人それぞれです。
・気の滞りが強い方
・血が不足している方
・陰が消耗している方
同じ「眠れない」でも
使うツボの組み合わせや刺激量は変わります。

・神門
・三陰交
・太衝は、
体調が安定しているときであれば
台座灸などのセルフケアとして
取り入れやすいツボです。
しかしセルフケアは
あくまで 体を整えるきっかけ です。
・やっても変化を感じない
・一時的によくなるが戻ってしまう
・逆に違和感が出る
このような場合は、
体が「ひとりでは整えきれない」と
教えてくれているサインかもしれません。
・不眠が長く続いている
・眠れない以外にも不調が多い
・イライラ・動悸・不安感が強い
・体力の低下や冷えが気になる
・症状に波があり安定しない
このような場合は、
自己判断で刺激を続けるより
鍼灸師による施術をおすすめします。
鍼灸施術では
体質・体調・不眠のタイプを見極め
ツボの組み合わせや
刺激量を調整していきます。
セルフケアで「よくならない」ときが
鍼灸師に体を委ねる大切なサインです。
眠れない状態を我慢せず
鍼灸師に相談することも
大切なセルフケアのひとつです。
あなたの体に合った整え方を
鍼灸治療で一緒に見つけていきましょう。
癒されながら元気になっていく
千葉市美浜区
はり灸整体サロン*げんきひーりんぐ*
はり師・きゅう師・整体師 切通陽子
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