おはようございます。
すっかり間が空いてしまいました。
あっという間に牡羊座の新月は過ぎて、上弦の月.......
(間が開いてしまったことに申し訳無ささが募る)
黄金の羊の皮が吊るされたこちらのカービングは、金羊毛騎士団のデザインから作られたもの。
金羊毛騎士団は、オーストリアとスペインそれぞれにあります。(なぜ2国?と思われた方はWikipedia参照〜)
現在は2国なのだけれど、ブルゴーニュ公フィリップ3世が1430年に創設した騎士団。
ブルゴーニュ!?
南フランスじゃん!?
なぜ?.......という理由もWikipedia参照でお願いします。
.....「善良公」とも呼ばれていたフィリップ3世。
肖像画ではちょっと不健康そうなおじさんですが、実際には美食を愛し、芸術家を保護して北方ルネサンスを築き、多数の愛人を侍らせていた人物(結婚は3回)。
100年戦争の真っ最中に最初はイギリス側に着き、フランス側の英雄ジャンヌ・ダルクを捕縛しイギリス側へ引き渡した後、フランス側へ着いた人物。
ネーデルラント(現オランダ)へ進攻、領有。
後にルクセンブルクも含めたベネルクスを治めた人物。
.......善良???
と思いますが、そこは中世のヨーロッパ。
諸侯が権力を握り、権謀術数を張り巡らせていた時代なので、私達現代人が思う「善良」とは異なるはずです。
少なくとも統治そのものには、とても優れていたらしいので、領民からみても「善良公」だったのかもしれません。
そんな善良公フィリップ3世が創設した金羊毛騎士団ですが、なぜ金羊毛をモチーフとしたかは.......実はわかっていないそうです。
そもそも金羊毛とはなにか?
それは古代ギリシアで英雄イアソンとアルゴー号に乗った英傑達が旅をする物語に出てくる、伝説の宝物。
このあらすじ自体は私も子供の頃から知っていたのですが.......黄色っぽい金色の羊の皮がびろ〜んと1枚、探して王様へあげるんだ〜!
へー?
....変な話?
と思っていました。
ところがどうやらそれは寓意で、
金羊毛とは、物を黄金へ変成させる錬金術のレシピが書かれた羊皮紙のこと、と考えられているそうです。
黄金へ変える錬金術...
現代的に考えれば、この金羊毛騎士団の勲章を頂けるということは、「あなたは黄金と同じくらいの価値がある」という意味と栄誉なのでしょうか?
ただ.......時代は中世ヨーロッパ。
キリスト教への信仰が厚く、戦争、暗殺、謀略やペストといった暗黒の時代。
金羊毛騎士団は、ジャンヌ・ダルクがオルレアンに包囲された王太子を救った年の翌年に創設されているのですよね.......
敵対するフランス側に現れた田舎娘。
オルレアンの乙女。
聖女。
フィリップ3世は、オルレアンの話を聞いたときに何を思ったのでしょう?
神の手はなぜ我の下にいらっしゃらないのか?と思ったのか、聖女なんてバカバカしいと鼻で笑ったのか.......それはわかりませんが。
ジャンヌ・ダルクの登場と同時代に誕生した金羊毛騎士団の関わりにちょっと想いを馳せてみたのでした.......
最後まで読んでいただきありがとうございました。