携帯電話各社がスマートフォン(スマホ)の高性能化に力を入れる中、従来型携帯電話の性能は進化が止まっているか、一部は「退化」する傾向にある。独自の進化を遂げ「ガラパゴス携帯」(略してガラケー)ともいわれた日本の携帯だが、カメラの画素数が減るなど機能はシンプルになっている。各社は「現在も従来型携帯を使い続ける利用者に高性能を求める人は少ないから」と説明している。 (伊東浩一)
NTTドコモが二〇一一年に発売した従来型携帯「F-02D」など四機種のカメラは千六百万画素以上だった。これ以降に発売された従来型携帯の画素数は減っており、今年の夏モデルの上位機種「F-07F」でも千三百十万画素にとどまる。
担当者は「スマホでは二千万画素を超える機種も登場しているが、いま従来型携帯を買う人は性能より安さを求めている」と説明。実際、新たな開発費を投じていない分、値段も下がり今夏モデル「F-07F」の価格は二万円台後半で、一一年発売の「F-02D」の半額程度だ。
ソフトバンクも、一〇年には従来型携帯で千四百万画素を超える機種があったが、最新機種は千二百十万画素。同社担当者も「従来型携帯は折り畳みで通話しやすいとか、文字入力しやすいとの理由で持ち続ける人が多く、高性能は求められていない」と語る。
同社では、かつて搭載していた公衆無線LANサービス「WiFi(ワイファイ)」機能や、自分撮り用の内側カメラも最新機種には付けていない。
KDDI(au)も最新機種は八百八万画素だ。
総務省の一四年版の情報通信白書によると、日本の従来型携帯の保有率は28・7%で、調査対象の六カ国で最高。日本の携帯は独自進化で高機能になっているほか、高齢者の割合も高く従来型携帯へのニーズが根強いことが背景にあるとみられる。
ITジャーナリストの三上洋さんは「従来型携帯の支持層は確実に一定数いる。あまり力を入れていない会社がある今こそ、顧客が求める機能をきちんと搭載し、デザインも良い端末を出せば、逆に商機につながるはずだ」と指摘している。
<画素数
> 画像を構成
する点数のことで、縦方向の点と横方向
の点の数の積で表される。例えば、横の点が1200で、縦の点が1000の写真
なら120万画素となる。画素数
が多い写真ほど、一般に緻密な写真になる。画素数はピクセル数と同じ意味
。