【非正社員の男性の収入 200万円未満が約60%】


雇用者の約35%は非正規の職員・従業員
「労働力調査(詳細集計) 平成22年平均(速報)結果の要約」(総務省平成23年2月21日発表)によると、
平成22年平均の雇用者(役員を除く)数は5,111万人。正規の職員・従業員(以下「正社員」とする)が3,335万人で前年より25万人も減少しました。

それに対し、パート・アルバイト、契約社員、派遣社員などの非正規の職員・従業員(以下「非正社員」とする)は1,755万人で前年より34万人増加しています。
男女別では、男性は18.9%、女性は53.8%で、共に0.5%アップしました。非正社員の内訳は下記の通りです。

・パート・アルバイト ・・・・・・・1192 万人(39万人増加、うち女性は30 万人増加)
・契約社員・嘱託 ・・・・・・・・ 330 万人(9万人増加)
・労働者派遣事業所の派遣社員・・・ 96 万人(12 万人減少)

平成22年平均の非正社員の雇用契約期間は、「常勤」(雇用契約期間が1年超えまたは期間の定めのない者)が991万人で前年より32万人増加しました。
非正社員でありながら「常勤」の人は8年間で298万人も増加しています。一方、「臨時雇・日雇」は739万人でほぼ横ばいで推移しています。

非正社員が雇用者に占める割合は、平成14年以降で最高の34.3%となり、企業が雇用を絞り込み、非正社員を調整弁に使う傾向が鮮明になっています。


非正社員の賃金は正社員の70%程度
増加の一途をたどる非正社員の賃金は、正社員とどの程度違うのでしょうか。「平成22年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況」
(厚生労働省 平成23年2月21日発表)によると、企業の規模により若干異なりますが、男女共に正社員の70%前後となっています。

【雇用形態・企業規模別賃金】
<男性>  正社員     非正社員
大企業    39.5万円   25.7万円(65%)
中企業    32.8万円   22.0万円(67%) 
小企業    29.2万円   21.2万円(73%)
<女性>
大企業    27.7万円   18.4万円(66%)
中企業    24.6万円   17.1万円(69%)
小企業    21.8万円   15.8万円(73%)
*( )内は正社員を100とした時の割合

非正社員の年収200万円未満は59%
正社員・非正社員の賃金を年齢階級別に見ると、20歳前半の男性の賃金は、正社員が約20万円に対し非正社員は約17万円(正社員の85%)で、それほどの差は感じません。
しかし年齢が高くなるに従って差は広がり、40歳代後半から50歳代前半では正社員が42万円程度に対して非正社員は24万円程度、正社員の賃金の56%にとどまります。

非正社員の女性の賃金は、30歳代をピークに年齢が高くなるに従って賃金は下がり、全年齢で20万円を超えることはありません。


仕事からの年間収入階級別の雇用者数をみると、男性の正社員は500万円~699万円が一番多く20.9%、次いで300万~399万円が20.2%です。
それに対し非正社員は300万円未満が約80%(うち200万円未満は59.1%)、500万円以上は6%しかいません。

女性の正社員は200万円~299万円が28%、次いで100万~199万円(20.6%)、300万~399万円(20.0%)と続きます。
それに対し非正社員は、100万円未満が圧倒的に多く49.2%を占め、次いで100万~199万円が39.9%。200万円未満が84%を占めています。

30~40歳代に未婚の男女が増えており、その理由に不安定な雇用による「経済力不足」と「将来に対する不安」が挙げられています。
それを裏付けるような「労働力調査(詳細集計) 平成22年平均(速報)結果の要約」になりました。現在正社員であっても、将来非正社員になる可能性がないわけではありません。
正社員と非正社員との賃金を含む待遇格差を是正する動きに対して、関心を持つ必要があるようです。



こんにちは。

むぎです。

現在、正社員で雇用されている人は、この記事をどう捉えますか?