六本木といっても繁華街を外れると意外に静かな街であり、今回はじめて行った六本木ミュージアムという会場も緑地に囲まれた非常に落ち着いた場所にあった。
建物の階段を降りるとやたらと広いロビーがあり、そこで客は待機し係員の呼び出す整理番号に従ってフロア内に入場するようになっていた。
場内のフロアには椅子が敷き詰めてあり上手側だが前から5列目を確保することが出来た。すし詰め状態のオールスタンディングを覚悟していたのでこれには助かった。考えてみるとアプガのライブを椅子のある現場で観るのは初めてである。
残念ながら今回の2ndライブはソールドアウトには至らなかったようだがイス席は完全に埋まりフロアの後方には立ち見の客が何重にも溢れていた。
ステージ上にはセットらしいものは何ひとつ置かれていない。それは単にセットを組む予算がないだけなのかもしれないが、千人近いハコでここまで何もないステージというのもちょっと珍しい。
この日、彼女達がステージで使用した小道具はサイリウムと佐保ちゃんが自己紹介のときに空手の演舞で真っ二つに叩き割った木の板だけである。
今回の公演のタイトル「2ndライブ 六本木決戦(仮)」が象徴しているように、ステージ上にあるものはメンバーの身体だけであり、余計なギミックが何ひとつない状態でアプガのメンバーは文字通り観客との決戦に挑む。
この日のライブはまさしくアップアップガールズ(仮)vs観客といった真剣勝負の様相を呈していた。
コンサート開始からアンコールの最後に舞台袖に消えていくまで、時間にして二時間以上、ほとんど休憩らしい休憩もなくライブは進行していく。
アプガメンバーの驚くべきところは基本的にすべての楽曲がアップテンポなナンバーで占められているため、メンバー全員がコンサートの最中、まったくといっていいほど休む間もなく踊り続けている点である。
普通、こうしたワンマンライブの場合、途中にメンバーのソロやしっとりとしたバラード曲を挟むことによって、演出上の緩急というかメリハリをつけたりするものだが、そういった小細工など無用とばかりにこの日のアプガは最初から最後までハイテンションのまま乗り切ってしまうという、見方によってはかなり強引な手法がとられていた。
つまりオープニングの「Going my
」からコンサートはいきなりクライマックスを迎え、そのままの状態が二時間以上に渡って最後まで維持されていく。
従って今回のライブはこれといった見せ場はなく、すべてが同じテンション、同じパワー、同じエネルギーで流れていくという単純な構造で成り立っていた。
言い換えるとすべてが見せ場だともいえるが、肝心なのはそれらすべてのパフォーマンスがメンバーの気力と体力のみによって支えられていたというところだ。
この日、メンバーの佐藤綾乃はライブの途中でノドを潰してしまい、途中からまともに歌えない状態になってしまった。
最後の挨拶のとき、彼女は涙ながらにかすれた声を振り絞って観客にそのことを謝罪していたが、会場に集まったヲタで彼女を責める者など誰一人として存在しない。
この「決戦」においてもし一人だけ勝者を選ぶとしたら、ボロボロになりながらも気力で最後までステージを務めあげた彼女ではないだろうか。
こういった想定外のアクシデントが時としてイレギュラーな感動を呼ぶというのがアイドルの素晴らしさであり、同時にアイドルというジャンルの持つ特異性をよく表していると思う。(例えばの話だが、彼女がもしアイドル歌手ではなくテノール歌手やオペラ歌手であったなら、ノドを潰すなど絶対に許されない失態だった)
コンサートの終盤には来年の予定もいろいろと告知されたが、その中でも特に注目したいのが、2月から行われるT-Palette Recordsが主宰する「全国対バン行脚(仮)」だろう。
これはアプガが主要都市に出向き、そこのご当地アイドルと対バンでライブを行う、すなわちアウェーの現場に乗り込みサシで勝負をするというものらしい。
新潟がNegicco、仙台がドロシー、福岡がLinQ、松山がひめキュンフルーツ缶といったところまで対バン相手が確定しているらしいが、東京はまだシークレットだということ。
会場がこの日と同じ六本木ミュージアムだということを考えると、そこそこネームバリューのあるグループと「対戦」するような気がする。
実現の可能性でいうとレーベルメイトのバニラビーンズあたりが適当だが、それではひとつも面白くない。
ここはいっちょう乃木坂46か私立恵比寿中学あたりと対戦するというのはどうだろうか。アイドルヲタ的な視点で見ると、このへんのマッチメイクはなかなかスリリングで面白いと思う。
あるいは、ある意味、同門対決ともいえるスマイレージあたりも面白い。
何にしてもアップアップガールズ(仮)、来年も今年以上に我々を楽しませてくれそうで、今から待ち遠しい限りである。
建物の階段を降りるとやたらと広いロビーがあり、そこで客は待機し係員の呼び出す整理番号に従ってフロア内に入場するようになっていた。
場内のフロアには椅子が敷き詰めてあり上手側だが前から5列目を確保することが出来た。すし詰め状態のオールスタンディングを覚悟していたのでこれには助かった。考えてみるとアプガのライブを椅子のある現場で観るのは初めてである。
残念ながら今回の2ndライブはソールドアウトには至らなかったようだがイス席は完全に埋まりフロアの後方には立ち見の客が何重にも溢れていた。
ステージ上にはセットらしいものは何ひとつ置かれていない。それは単にセットを組む予算がないだけなのかもしれないが、千人近いハコでここまで何もないステージというのもちょっと珍しい。
この日、彼女達がステージで使用した小道具はサイリウムと佐保ちゃんが自己紹介のときに空手の演舞で真っ二つに叩き割った木の板だけである。
今回の公演のタイトル「2ndライブ 六本木決戦(仮)」が象徴しているように、ステージ上にあるものはメンバーの身体だけであり、余計なギミックが何ひとつない状態でアプガのメンバーは文字通り観客との決戦に挑む。
この日のライブはまさしくアップアップガールズ(仮)vs観客といった真剣勝負の様相を呈していた。
コンサート開始からアンコールの最後に舞台袖に消えていくまで、時間にして二時間以上、ほとんど休憩らしい休憩もなくライブは進行していく。
アプガメンバーの驚くべきところは基本的にすべての楽曲がアップテンポなナンバーで占められているため、メンバー全員がコンサートの最中、まったくといっていいほど休む間もなく踊り続けている点である。
普通、こうしたワンマンライブの場合、途中にメンバーのソロやしっとりとしたバラード曲を挟むことによって、演出上の緩急というかメリハリをつけたりするものだが、そういった小細工など無用とばかりにこの日のアプガは最初から最後までハイテンションのまま乗り切ってしまうという、見方によってはかなり強引な手法がとられていた。
つまりオープニングの「Going my

従って今回のライブはこれといった見せ場はなく、すべてが同じテンション、同じパワー、同じエネルギーで流れていくという単純な構造で成り立っていた。
言い換えるとすべてが見せ場だともいえるが、肝心なのはそれらすべてのパフォーマンスがメンバーの気力と体力のみによって支えられていたというところだ。
この日、メンバーの佐藤綾乃はライブの途中でノドを潰してしまい、途中からまともに歌えない状態になってしまった。
最後の挨拶のとき、彼女は涙ながらにかすれた声を振り絞って観客にそのことを謝罪していたが、会場に集まったヲタで彼女を責める者など誰一人として存在しない。
この「決戦」においてもし一人だけ勝者を選ぶとしたら、ボロボロになりながらも気力で最後までステージを務めあげた彼女ではないだろうか。
こういった想定外のアクシデントが時としてイレギュラーな感動を呼ぶというのがアイドルの素晴らしさであり、同時にアイドルというジャンルの持つ特異性をよく表していると思う。(例えばの話だが、彼女がもしアイドル歌手ではなくテノール歌手やオペラ歌手であったなら、ノドを潰すなど絶対に許されない失態だった)
コンサートの終盤には来年の予定もいろいろと告知されたが、その中でも特に注目したいのが、2月から行われるT-Palette Recordsが主宰する「全国対バン行脚(仮)」だろう。
これはアプガが主要都市に出向き、そこのご当地アイドルと対バンでライブを行う、すなわちアウェーの現場に乗り込みサシで勝負をするというものらしい。
新潟がNegicco、仙台がドロシー、福岡がLinQ、松山がひめキュンフルーツ缶といったところまで対バン相手が確定しているらしいが、東京はまだシークレットだということ。
会場がこの日と同じ六本木ミュージアムだということを考えると、そこそこネームバリューのあるグループと「対戦」するような気がする。
実現の可能性でいうとレーベルメイトのバニラビーンズあたりが適当だが、それではひとつも面白くない。
ここはいっちょう乃木坂46か私立恵比寿中学あたりと対戦するというのはどうだろうか。アイドルヲタ的な視点で見ると、このへんのマッチメイクはなかなかスリリングで面白いと思う。
あるいは、ある意味、同門対決ともいえるスマイレージあたりも面白い。
何にしてもアップアップガールズ(仮)、来年も今年以上に我々を楽しませてくれそうで、今から待ち遠しい限りである。