自分にとって初日の午後の大一番は14時すぎからZepp Diver Cityで行われる東京女子流のステージだった。

アプガとの握手を済ませたあと、Diver Cityまで移動し、ひとまず昼飯を食べて腹を満たしNegiccoの開演に合わせてZeppに入場する。

今回のTIFでいちばん懸念していた16時開始のSKEのヲタに場内を占拠されて入場出来ずという事態は、この時点では免れた。

フロアは人で溢れているが、だからといってすし詰め状態で動きがとれないというわけでもない。もっとも、このときの判断が後になって取り返しのつかないミスを犯すのだが、とにかくZepp内に入場することは出来た。

Negiccoのステージも初めて観たのが、いわゆるローカルアイドルブームの先駆けといえるのが彼女達ではないだろうか。

ネギを持った新潟のアイドルなどというと、それだけでイロモノっぽい先入観を抱きかねないが、異常にソフィティスケートされたサウンドは洋楽的でもあり、ベタなアイドル歌謡とは決定的に違っている。

場内の雰囲気も他の若いグループと比べると、どこか落ち着いた空気が支配しており、まあこういうのも悪くはないだろう。

Negiccoが終了し、あとはそのままZepp内でさくら学院、東京女子流を観てSKEの客が押し寄せてくる前に退散するというのが、当初、自分が考えていたプランだったわけだが、魔がさしたようにZeppのすぐ外にあるGREEN OASISでこれから始まる私立恵比寿中学が気になって会場の外に出てしまった。

さくら学院は明日も観るチャンスはあるが、エビ中は初日しか出演しないので、今日はエビ中を観るほうが得策だろうという判断である。

でエビ中のパフォーマンスも、相変わらずというか、普通に面白いので、それはそれでいいのだが、問題なのはエビ中終了後にZepp内に戻ろうとしたら入り口に人が溢れかえっていて入場規制がかけられていた…。

…や ら れ た。。。

すでにZepp内がSKEのファンに占拠されているのは明らかだった。

どう考えても、この状況では今から始まる女子流が観れるわけがない。

もっとも自分の判断ミスである以上、誰も責められないし、まあ仕方がないかなと。

気を取り直して、そのままエビ中終了後のGREEN OASISでアリス十番を観ることにする。

考えてみると去年のTIFでは、ひたすらアリス十番を追いかけていた。ただし、そこには推しがいるという明確な動機が存在した。

ステージ上のメンバーのことは、よく知っているし、自分のことを認知しているメンバーだって1人や2人ではない。

それなのに何だろう、このモチベーションの低下は…。

この日もエリア内を移動中にアリスのメンバーとすれ違い、中には律儀にオレの顔を見て手を振ってきてくれたコもいたが、この日のライブを観てハッキリ思ったことは、やはりもうオレはアリスを観ても高まらないんだな…と。

アリス十番のあとはDiver Cityのカフェでしばらく涼み、同じくGREEN OASISで今度はhy4_4yh(ハイパーヨーヨ)を観ることにする。

実はよく知らなかったのだがこのハイパーヨーヨってグループ、3人とも元東京メッツのメンバーだとか。

ということはTPDファンだった自分からしてみたら、ほとんど親戚みたいなもんじゃん。

この日、一緒に動いていた友達が元東京メッツのヲタでハイパーヨーヨも以前はよく観に行っていたらしいけど、さすが中村チルドレン、このグループ、ハッキリ言って面白い。

いきなり「UWF メインテーマ」で入場してくるところからして只者ではないと思ったが、さらには白いヘルメットに白いツナギという、どこか非アイドル的な出で立ちはTIFの中でもかなりの異彩を放っていた。

感覚的には三人組のダンス&ボーカルユニットが「アイドルごっこ」をしているという印象があるが、そのおバカっぷりは徹底していて、ももクロあたりとは年季が違うことをうかがわせる。

新曲を披露するといって着替えた衣装がサングラスに裾の長い学ラン。

そして曲名が「ONE NIGHT FESTIVAL」。

氣志團の名曲「ONE NIGHT CARNIVAL」へのアンサーソングということだが、アンサーソングというよりも、それは替え歌に近く、振り付けも氣志團とほとんど一緒…って何てわかりやすい人達なんだろう。

TIFの公式パンフには「綾小路翔が今、日本でいちばんかっこいい女達と称した元祖オルタナティブ・アイドル」とあるが、こういう予想外の収穫が得られるのもフェスならでの妙味だと思った。(つづく)

(つづく)