最近は週末になると必ずasfiを観に行っていて、それぞれがとても重要な意味合いを持つライブだったりしたわけだが、この日のライブもまた重要な、自分にとってマストといえる現場だった。

この日、6/30は朱音の誕生日。ということで生誕ライブということになる。さすがに、これは外すわけにはいかない。

午前中に用事をすませたあと、14時頃に現場に到着する。
知っている顔に会い、asfiの出演時間を聞いたら最後だとか。

ということは彼女達が登場するのは17時以降ということになるわけで、こんなことなら別に慌ててくる必要もなかったが、実はこの日、朱音生誕以外にも注目していたことがあった。

それは今年のTIF2012出場組で、自分の見たことのないグループが、この日のライブにちょうどいい案配に二つ名前を連ねていたのだ。
幸いにして自分が到着した時刻には、まだそれらのグループは出演しておらず、TIF前にどんなものだか味見をしておくには丁度いいかな、と。

ひとつは北海道から遠征にきたフルーティー。

今、はやりのローカルアイドルで「育成型フルーツアイドル」を標榜していて、それぞれのメンバーのイメージに合った果実が存在し、イチゴ担当、パイン担当…みたいになっている。

フルーツアイドルって…もはや、こうなってくると何でもアリのようだがアイデアとしては面白い。

このフルーティー、いかにもキワモノ的な雰囲気が漂うが、驚いたことに曲もパフォーマンスも決して悪くはない。というよりヘタな東京のグループなんかよりもずっと良い。

さすが北海道から東京まで出稼ぎにきただけあって必死さが違っていたし、単純にこれならまた観てみたいと思った。

というわけで、このフルーティー、今年のTIFでは、とりあえず自分の観るリストに入ったかな。

それと、もうひとつの初見グループは福岡のCQC's。
こちらはローカルアイドルというより、九州の女子大生から選抜されたグループらしく、どこか企画色が漂う。

また今時のアイドルにしては非常に大人びた印象があり、この日の他の出演者とは明らかに一線を画した存在に思えた。

いきなりチェッカーズの「涙のリクエスト」を歌ったりして思わず自分も盛り上がってしまったが、これは同郷の福岡から生まれたスターにあやかった選曲なのだろうか。

しかし、今年のTIFも日本中からこんなのばっかり集まってきて結構、楽しい2日間になりそうだなww

それとALLOVERは、まあいつもどおりって感じで、正直、自分は観ていてそれほど高まるということはないが、初めて彼女達の物販に行ってみた。

とりあえず、この日の主役である朱音には渡すものもあったし、早めにそういった用事は済ませて身軽な状態で本番のasfiを迎えたかったのでね。

asfi出番近くになりヲタの人からクラッカーやらサイやらをもらい、生誕祭に備える。そして、この日は下手の最前でasfiを観ることにした。

普段、ライブを見る際、基本的にはどこで見てもいいのだが、この日くらいは、いちばん前で観ようかなと。

そして、ようやくasfiの登場。

言うまでもなく、この日のasfiのライブはすべてが朱音を中心に進行し、朱音以外のメンバーは言うに及ばず、会場に集まったヲタ全員で彼女をもり立てた。

二曲目に歌われ、彼女がセンターを務めた「まっさらブルージーンズ」は、この日はとくに意味深い内容になったと思う。

朱音自身もステージで語っていたように、今からちょうど7ヶ月前の11/30に彼女はアイドルとしてのキャリアをスタートさせ、それから紆余曲折を経て、今はこうしてasfiの一員としてステージに立っている。

そして、そのキャリアの節々で常に、この曲「まっさらブルージーンズ」は歌われてきた。

また、この曲が縁で彼女がasfiに加入したという話もこの日のMCで、初めて知った。

7ヶ月前、まさか自身の誕生日にasfiのメンバーとして「まっさらブルージーンズ」歌い、こうしたかたちで19歳を迎えることになるとは、朱音本人も思ってもみなかっただろう。

彼女のこれまでのアイドル人生における最大のターニングポイントは言うまでもなくマムの解散と、その後、asfiに加入したことなわけだが、これも今だからこそ言えるが、正直、自分はマムが終了した時点で、もう朱音には二度と会えないかもしれないという覚悟を決めていた。

従ってasfi加入という、思わぬ朗報がきたときは、本当に嬉しかったし、彼女に関しては、いろんなゴタゴタがあったにせよ、すべてが良い方向に好転したのだなと思う。

この日の現場には、それこそ7ヶ月前から彼女を知っているような古いファンも会場にきていたけど、一様にみんな「朱音ちゃんの誕生日だしね…」と言っていた。

今では現場が違っていても、推しが変わっていても「朱音の誕生日を祝いにいかなくては」とヲタに思わせる、そういった魅力というかアイドルヂカラを備えている彼女はさすがだと思う。

また、去年までの彼女は物販時に制服姿でロビーにうろついていたりすると、ほとんどアイドルを観にきた女ヲタのようにも見えたが、少なくとも今の彼女は堂々と職業アイドルとしての佇まいというか風格を身に付けている。
こういった変化も一応、成長の証ということになるのだろうか。
良くも悪くも彼女自身、この世界の水にだんだんと慣れてきたのだと思う。


最後のナンバー「HAPPY DRIVER」で、後ろを振り向くとフロアがピンク色のサイリウムによって綺麗に彩られていた。

それはまるで「HAPPY DRIVER」の陽気な音をサウンドトラックにした映画やミュージカルのフィナーレのような感覚でもあり、同時に楽しかったひとときも「さあ、もうおひらきですよ」とエンドロールが告げられ、後ろ髪を引かれるような思いと淋しさが沸き上がるような瞬間でもあった。

朱音ちゃん、改めて誕生日おめでとう。

いい生誕祭だった。