社会人3年目
嬉しいことに様々な仕事を任せられるようになると共に責任がどんどんと重くなる。

失敗はなぜか連続して続き
何度も仕事を辞ようと思い上司にその旨を説明した。しかし

お前がいないと困る
今辞めてしまうのは勿体無い

などと励ましの言葉を頂いたのだが
失敗が重なり気が滅入った僕には聞く余裕もなかった。むしろ僕が居なくなるくらいで困ってしまう会社はどうなんだとか思っていて、僕が居なくても関係の無い仕事とか無いかなとか考えていたのだが学生時代のアルバイトでの出来事を思い出した。



当時僕は高速道路のパーキングエリアで働いていた職場までは少し距離があり原付バイクで通勤しており一応バイトリーダーを任され程々に働いていた。

ある朝目を覚ますと僕の地元には大雪が降っており高速道路は通行止めになっていた
もちろん休みになると思いウキウキしながら店長に電話をかけた

え、ふつうに店やってるよ?

衝撃的だった、学生の僕でもわかる
高速道路が止まってるのにパーキングエリアに来るやつなんていない。


その日の勤務時間は休憩含め13時から22時
普段バイク出勤だが道路が凍結してるため歩いて行くことになった。なんとか到着、同じシフトだった女の子は欠勤し
1つ下の男  森田(仮名)店長の3人で働くことになった。

勤務が始まりすぐ店長森田

今日は寒いから肉まんが売れるぞ!ホットスナックのコーナーに肉まんを10個ほど入れておいてくれ!

そうっすね!今日めちゃくちゃ寒いっすもんね!

と会話していた。狂ってるのか?
駐車場に1台も車が止まって無いのが見えなのか
しかし店長の言うことだ高速道路の利用者で無くてもパーキングエリアは使える近隣の方が来るのかも知れない。

ホットスナックの補充をし店内の清掃
やる事がなくなりレジで森田と話をする間にもお客様は1人も来ないカップラーメンをありえないくらい綺麗に並べたり一度も使ってないレジの点検をしたりしてもお客様は1人も来ない

結局誰も来ないまま22時がすぎ
大半をなにもしないまま過ごした日だった



あの日の僕は僕じゃなきゃいけない仕事がしたかった。