日英、今月末の大筋合意目指す 貿易協定、TPPで再交渉も(時事通信)
もちろん外交の駆け引きがありますので、単に「日本からプレッシャーをかける発言があったけど気にしてないよ」というポーズの可能性もありますが、急ピッチで交渉が進んでいることはまず間違いありません。
正式表明こそしていないものの、英政府は豪州、NZとの交渉について「TPP参加への理にかなった一歩だ」と表明しており、イギリスがTPPへの参加を希望しているのはほぼ確実な状況であり、TPP参加を前提に日英FTAは必要最低限の内容だけ決めようという方針なのかもしれません。
ifの話になりますが、次期アメリカ大統領がバイデン氏になった場合、彼はTPP合意を成立させたオバマ政権の副大統領でしたので、再びアメリカをTPPに戻そうと動く可能性があります。そうなるとアメリカを含むイギリス連邦がTPPの過半数(7/13)を占めることになり、日本の発言力が著しく低下することが危惧されます。
各国の力関係がありますので単純な国の数だけで語るのは適切ではないかもしれませんが、タイがTPPに加入すればアメリカ含むイギリス連邦は過半数に届かなくなりますので、相対的な日本の地位低下はある程度食い止められると思われます。
今タイはTPP加入について消極的な姿勢を見せていますが、日本としてはイギリスのTPP加入を急ぐ理由は無いので、タイの旗色を伺いながら日英FTAおよびTPP交渉を進めるべきでしょう。