「岡ちゃん、おはよ。今日は間に合ったね。」

と、竹内は寝癖でぼさぼさの頭をなでながら僕に言った。


岡ちゃんとは僕のあだ名のことで、小学校からずっと同じだ。

竹内とは、高1のときからクラスが一緒で、音楽の好みが合うから

仲がいい。もう一人音楽好きの仲間で松下がいる。

松下とは中学生のとき塾が一緒だったから、すぐに高校に入学してすぐ友達になれた。

松下は流行に敏感だ、いや敏感すぎる。

例えば携帯は新機種が出れば、使って3ヶ月も経たない携帯でもすぐに機種替えする。

洋服もJackやSmertなどのファッション雑誌を毎月読んでは、

欲しいものがあれば東京の原宿や渋谷の小洒落たアパレルショップまで買いに行く。

悪く言えばミーハーってことだ。

そんな松下から、高1のときに借りたグッドシャーロットというバンドの、ヤングアンドホープレスという

アルバムを聴いてから、洋楽というものにはまった。

それからというもの、たくさんのCDを松下から借りて、寝るのも忘れて音楽を聴いた。

クラッシュ、ニルヴァーナ、ストーンズ、メタリカ、ボンジョビ、レッチリ、ツェッペリン・・・

挙げたらきりがない。


僕は机に座って言った。

「ねぇ、知ってる?今年のサマーソニック03にグッドシャーロットとサム41が来るらしいぜ!!

血がさわぐ。」

「おー、知ってる知ってる。今年は熱いよ。開催地どこだっけ?」

竹内は、まだ寝癖が気になるのか、頭をなでている。

「大阪だよ。だから、頑張っても行けそうにないな。」

「そうだな。東京ならまだしも、西日本へ行くのは金かかるな。バイトでも

 しようかな。」

「なに言ってんだよ。この田舎どこでバイトするんだよ。田んぼでも耕すか?」

僕は笑いながら言った。すると、竹内は

「そうするか。いいアイディアだな。」

本気で言っているように見えた。

「ばかっ。そんなことしてたらライブ終わ」

(ガラガラーッ)

僕がそう言いかけると、教室のドアが勢いよくあいた。僕は慌てて、机から椅子へと飛び乗った。

ドアからは、いつも穏やかな表情の橋本先生が今日も何一つ変わらず

笑顔で登場した。橋本先生は、先生なりたての数学教師、僕ら2年3組の主任である。

橋本先生の穏やかな表情からは、いつも優しさがにじみ出ていて、誰に対しても優しい。

かつ、授業が分かりやすいので、どの学年の生徒からも評判は良かった。


「おはよう。今日もモーニングホームルームを始めます。」優しい声が言った。

「最近、だんだんと暖かくなってきましたね。それでも、夜は結構寒いので、

 皆さん風邪を引かないようにしようね。勉強も大事だけど夜遅くまで起きているのは

 お肌の大敵。特に女の子はお手入れを入念に。」

と、意味不明な発言。

「勉強で寝るのが遅くなるのはあんたが、宿題を山ほど出すからだよ。」と小声でつぶやきながら、

まるで病人のように、天井を見上げのシミを数えていた。

朝の連絡の内容はこうだ。何かの委員会の集まりが昼休みにあることと、午後の体育は

グランドに集合、それから数学の宿題は黒板前の提出ボックスに入れること。

僕が聞き取ったのはこれくらい。

いつもこんな感じだ。

ホームルームが終わって、

竹内を見たら、もう寝癖をなでてはいなかった。


2003年4月・・・まだ曇り空の寒い日が続く。

  こんな風に書いてみました。書きたいことがまとまらず、最初はほとんど説明で終わってしまいました。

  アドバイスなどいただけたらとても嬉しいです。時間があるときにどんどん書いていきたいと思います。

  ちなみに今日の内容はノンフィクションでした。

  今後もよろしくお願いします。

  


It's my life ~ ♪(ボンジョビのIt's my lifeという曲)

僕は携帯のアラームで目が覚めた。

「うぃ~、今何時だ。」大きく反りながら時計を見た。

8時45分。

僕は飛び起きた。

「また遅刻だ。今週で3回目だから、今日は怒られるだけじゃ済まないぞ。」

制服に着替え、ネクタイを締めながら思った。歯を磨いて、寝癖の頭にギャッツビーのワックスをつけた。時間は8時49分を過ぎていた。

終わった・・・

それでも何とか学校に1秒でも早く着こうと急いで部屋を出た。



僕の名前は岡田直人、広大な緑に囲まれた進学高校に通っているごく普通の高校2年生。

寮で一人暮らしを始めて、もう1年になる。

寮は高校から徒歩3分の所で、男子寮3つと女子寮2つの計5つが別々の場所にある。

高校は全寮制ではないが、県内全域から生徒が来ているので約半分は寮生だ。

寮の近くには高校生が遊べるような所はなく、マクドナルドや吉野家みたいな

ファーストフードの店もなし、

かろうじてコンビニはあるが、5キロ先にしかない。

あるのは、広大な自然と畑を耕すエンジン音だけ。

街灯がないため、夜になると真っ暗闇が永遠と続く。

それでもちゃんと生徒がいるのは、

大学進学率90%以上という確かな実績があるからだろう。

だからだ、やたら勉強に厳しい。

「1日の自主学習4時間!!」という、なんとも吐き気を催す目標がある。

宿題も毎日鬼のように出ている。勉強に終われる日々だ。

忙しいせいで、入学当初小まめに掃除していた部屋も、今では見るも無残な状態である。


教室に到着。8時51分過ぎ。

まだ先生は来ていなかった。

「セーフ!今日は間に合った!」

ぜいぜいと僕は肩で呼吸しながら、入り口近くの席の竹内に言った。


また長い1日が始まった。