1ヶ月あいたねごめんやで

 

 

編集長の石脇サンタ(最近見つけたACIDMANってバンドがキテる)です。

 

 前回はメンバーに編集を委ねるという試みがあったのですが、みんなマジメすぎて己の邪悪をただただ悔いるばかりでした。今回の2巡目のブログでは私もマジメなお話をしようと思います。

 

ハイ、長々と喋ります。

 

 私は同志社サドハドの1stテナーをやる傍ら、趣味で作編曲というものにも手を出しています。例はこの辺ですね。

 

これらが高3くらい

 

 

これが2回生くらい

 

関西の企画バンで私が呼ばれるときは作編曲の提供もセットなことが多いです。嬉しいね。

 

 

そんでよ

今回は宣伝がてら先日7/31に発表した新曲の

『Chronosphere』

を使ってお話をしようと思います。

 

まず聞いてみましょうかね。

聞いたね、その前提でいくからね。

 

そもそも私の音楽の趣味嗜好として

「複雑なコードワークの変拍子ってカッコエw」

でした。

 高校時代授業中「この教科いらんし笑」「内職(別の教科の勉強をする)とか当然っしょ笑」みたいな人たちに目もくれず理論書を読み漁ってた賜物でしょうね。使えるものは多く使えの精神でした。

 

 そこから2年ほど経って私も大学生のジャズ文化に触れ、多くのジャンルの曲を演奏する機会に恵まれ、音楽性も大きく変わりました。

「自分のしたいことを最大限にカッコイイと思ってもらえるようにしよう」

知ってることが増えたからこその取捨選択、これがFランってもんよ。

 

 

曲の話をしよう

 もともとキッカケは1:25あたりの印象的なピアノのリフを思いついたことでした。昨年の11月あたりのことだったと思います。そして今年に入った4月くらいに冒頭をWwアンサンブルにするビッグバンドのアイデアを思いつきました。その2つを結びつけようという発想がどうして出てきたのかは私にもわかりません。

 

 この曲のジャンルはなんなんでしょう、と聞かれたら多くの人の頭には「ロック」が思い浮かぶと思います。

 

そうです、

サドハドの影響はデカいんです。

 

シンプルに情に直接クる感じ、洋物のビデオですよね。

 

あと平沢進の影響もデカいです。イントロの雰囲気はこれですね。

(本家は調べれば出てきますがグレーなので一応私の耳コピで我慢してください。)

 

 あと楽器の重ね方で言えば、1:46からのSsとGtのフュージョン的なユニゾンのメロディー、その後2:14からのSs,As,Tpのメロディーラインはコンボとビッグバンドの良さをお互いが引き立たせるような印象を受けます。ハーモニーの重ね方も管楽器のコーダルなものというよりロックの歌物のハモりを考えるような気持ちで考えました。どんな音が来ようとも3度下という強い意志。

 

 そして2:29からのメロディーでKey BbからKey Dbに転調します。転調っていいのよね、特に短3度。

みんな知ってるのはこの辺かな?

あと3rdをベースにするのも好きです。

 

譜面はこんな感じ

転調①

転調②

 

転調ってなあなあでもカッコよくなったりするんですよね、共通音の概念が便利すぎる。

 

 この場合だとBbの調号のEb→F→G→A→Bbの解決がDbの調号のGb△7/Bbに落ち着いて、IV→V→II→V(IIIbo)にぬるっと移行されるわけです。あと意識した曲はこれですね。

サビ前のB7→F7sus/Cみたいなところは思い返せば完全にパクリで草。

 

さてまたピアノリフに帰ってくる訳ですが微妙に変わっています。

 
冒頭
riff①
2:51〜
riff②
 多少幅が狭くなって3/4が出てきました。感覚的な問題なんですがピアノで弾くと右手の都合上これがやりやすい気がします。ここから始まるClock Soundはパーカッショニストのアイデアです。
 
 その後のメロディーはシンプルなんですが、楽器が増えてくることによる雑然とした感じはクラシックで言えばレスピーギあたり、ちょっと系統は違うかもしれないんですがマリア・シュナイダーのBBもなにか意識したものかもしれません。

関東スゲー

 

 さて、楽器が徐々に増えて頂点に達した時に始まる金管のコラール(3:52)には今まで出てきたメロディーの復習になっています。参考にしたのはこのあたりです。

 

前半はイントロのピアノのメロディーとBメロのキメラ、その後のTb soliをなぞるわけですが、ここでこの曲全体を通して核となる響き「sus」というものについて軽くお話をしておきましょう。

 

 

 

SUSっていいのよ

 

 

 みなさんsusって好きだと思うんですが私も例に漏れず好きです。sus4もsus2もあるんですがどちらにせよ3rdが鳴らないことは重要な情報の欠落に感じます。しかしその分各々の想像に任せる部分、用途によるイメージの変化など面白いコードなわけです。

 

 この曲においてsusは大きく分けて2つ、「パワーコード+@」「完全音程積み」の二面性を持っています。結局コードって「たまたま一緒に鳴ってる音がコレだからとりあえずこう表記しとくか...」ってのもあるんですよね、捉え方って不思議。

例えばCsusの構成音は「C F G」

コレを並べ替えると「G C F」の完全4度積み、「F C G」の完全5度積みが現れます。ジブリの世界ですね。パワーコードとは真逆の印象を受けます。これがもう一音増やすと「G C F Bb」のC7sus4「F C G D」のG7sus4が現れます。コードは高度数になると見分けがつかないってのはモードジャズっぽい考え方ですよね。

 

 はい、前置きがあったところで金管のコラールの後再度Pfリフに戻るところ、Key AbからKey Eに転調する時にsusが大活躍します。

 左ページからEbsus→Eb→E△7と進みます。例えばAbに解決する和音だったらBbm7-Eb7-Ab△7とかがあるんですがここでは敢えてクラシック的なアプローチです。

本来ならEbsus→Eb→AbといきたいフレーズなのですがPfの右手とTpの音を見てもらって分かる通り解決先はAbではなくG#sus(Absus)に聞こえます。アッパーストラクチャー・トライアドという考えがここで役立ちます。G#sus/EはE△7の亜種なわけですね。

 

 4:17から無事裏技でvampの半音転調が済んだ後にメロディーが帰ってくるわけですが最初からフルパワーでかかってきます。ロックギターのようなフレーズをキッカケに全てのパートが最高潮の盛り上がりに到達します。

 

困った

 

ここで行き詰まります。

アイデアの枯渇ってやつだね。

 

 こんな時私はパラレル・ワールドの「私」に意見を求めます。

何を言ってるのか分からないとは思うんですが文章にする都合上こうなってしまいました。

 

 詳しくお話しします。

優れた題材があった時に、芸術はあらゆる形で優れた作品に成り得るとというのが私の個人的見解です。ヴァトーの『シテール島への巡礼』に影響を受けたドビュッシーは『喜びの島』を作曲しました。絵画に影響を受けた音楽の代表例です。

 良い例だったかは分かりませんが皆さんも音楽を題材にした小説、伝承に基づく楽曲など、見たこと聞いたことがあると思います。このように芸術は土台さえしっかりしていれば手段は違えど優れた作品になる可能性を秘めているわけですね。

 

小五の筆者①小五の筆者②

小五の筆者③

 

 こう書くとなんか大層なコトしてるように見えますがそんな大したコトじゃありません。あくまでイメージの問題です。

 

今までの曲を何か物語だとして考えると

・何か告げる天からの旋律 0:00~

・世界を変えようと走り出す 1:24~

・落ち着くが目指していた場所ではない...... 2:29~

・最初から走り出す(いつまで走り続ければよいのだろう......) 2:51~

・再度天からのお告げ

今までの道は間違いではなく必要な遠回りだった 3:52~

・自信を持って走り出す  4:17

 

ここまで決まっているわけですね、それなら次の展開として

正しい道は正しい道で苦難にぶつかる

ですよね。

 

音楽でどう表現しよう......

 

彡(゚)(゚)💡「せや!今までのをまとめて組曲ってことにしたろ!」

彡(^)(^)「それで一曲目のリフに似たやつ入れて遠い過去からの連続性を示せるやで〜」

 

ということで5:06からのリフはセルフパロですね。

コレの2:39あたりからです。このテイク実は旧バージョンなのですがご容赦ください。

(最新版が聴きたい人はコレの58:55あたりからどうぞ。)

 

そしてここから始まる怒涛のTs Solo(5:13~)ですが

 

プロサックス奏者

関西のMichael Brecker

インフル自然治癒

 

こと古谷光広さんをお呼びいたしました。

古谷光広さん

 

 顔写真を勝手に出していいのか分からなかったので「古谷光広」を地図で検索して出てきた画像を添付しておきます。「古谷光広」でAIに描かせた絵を載せようか迷ったのですが悩んだ末にこのような結果となっておりますことをお許しください。

見たい方は各々こちらからどうぞ。

 

 こういう曲にはこういうソロだよねっていうのをなんと6テイク、2種類のマイクで撮って送っていただきました。音大でお世話になってる先生でもあります。無言の空間の多い私の発言を急かさず待ってくれる温かくて豪快な2児のパパです。

 

 さて、その圧倒的ソロを支えるバッキングですがお気づきでしょうか?

冒頭のWwアンサンブルと音型、楽器が一緒なんです。アツくね?

譜例

(Fl1,2でバラけてますが)B-A-E-F#-D-A

C-Bb-F-G-Eb-Bb

半音上で再現されているのがお分かりでしょうか?

楽器も変わっていない、再現されているフレージングの方が自然というところも含めて

 

どれだけ時が経とうとも精神は不変であり、開花こそ祝福されてもキミは絶えずキミであり続ける

 

というメッセージを後付けで考えました。Clの完全4度下のハモリはもちろんクールさの演出に一役買ってくれるわけですが、

 

そもそもWw+muted Tpの相性が良すぎるんじゃよ。

 

 軽い音には違わないのになんか物語的には重みがあって一歩間違えれば間抜けな音になりかねないのにそれが泣けるんですよかえってね、これがね。

その後Tb+B.sxが入ってくるんですが分厚いんですよね。ソロの録音をいただく前のバッキングだけで自分でもカッコエーになりました。

 

 そして最高の盛り上がりを彩るのはやっぱりサドハドが誇るパーカッショニストのTappyこといっくん(21さい)です。

お手をする犬の画像

ドラのロールをピタッと止めることでDTMのリバースシンバルみたいなことをやってるわけですね。天才だよこの人。

 

 さて、ここから最後まで走り抜けますよっと⊂二二二( ^ω^)二⊃

怒涛の展開を抜けてラスボスとの対峙のイメージです。(6:16~)

引き続き冒頭のモチーフが使われますがTpのカウンターメロディーも相まって「全ての感情」の暴発が聞こえてくるような気がします。己の敵は己の中に......ってやつでしょうか。

まだまだやれるぞと大迫力のGt  Solo(6:25~)、そして全音上の転調(Key Cm→Key Dm)、こんなんサドハド的感動要素のフルコースですわぁ(⌒,_ゝ⌒)私の曲には珍しくTpのハイノートを書きました。それくらい盛り上がってほしくて......

 

 さて一頻り盛り上がった後はお片付け。(6:43~)急にPfのみになることで勝手にボリュームは下がります。メロディーはBメロの再現。多少コードが変わってるのがパラレルワールドに来ちゃった感がありますね。EdimがA7/Eになっただけでなかなかスタイリッシュな響きになりました。Ebm7→Ab7→Dφ→G7ときてTb Soliの頭でAbm9(b5)に移ってたのが素直にSx Soliの頭でCm7に解決しています。

結末を直接描かずにその後の世界の描写で「あ、勝ったんだ」ってさりげなく思わせるのオタクくんは好きだよね。『カリオストロの城』で伯爵が時計の針に挟まれて死ぬ瞬間を映さずに遠巻きの時計と鐘の音で結末を解らせるのと同じです。

 

 さてこの曲、この組曲、その結末はハッキリと何か正義がどうこうみたいなハッピーエンドとは言いきれません。思いはFemale Voiceに託されます。(7:12~)

何を言っているのかというと冒頭の「夢は現〜」からの文言の英訳です。冒頭の文言は全て終わった後だと思ったら見え方も変わるのではないでしょうか?

 

戦い続けた結果自分の苦悩の部分も認められるようになった!

 

と物語をちょっとした成長で締めくくれたかと思ったら

 

「でもなぁ〜......」

 

が始まるわけです。なんとも根暗な人間の作る曲ですね。

文言を見れば曲のイメージは分かると思うのですが、言わばピクサーとかのスタッフロールでNG集をやるようなものです。

 

ここまで全部書いておいて言うのもアレなんですが

 

 

作者が作品の解説すんのそこそこダサくない???

   


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サドハドの後期のブログはみんなに自由に書いてもらう方針です。

自己紹介も多少残ってます。やっぱり楽しみは後までとっておく方がいいよね。

 

それでは事故で生まれてしまった感謝のソロ6テイク同時再生でお別れです。

 

パワー

パワー。