[2020/4/25]数多くのコンクールを精力的に実施している、一般社団法人K国際コンクールはこのほど、現在拡大を続ける新型コロナウイルスの問題が完全に解除されるまで、当面予定されているコンクールについて、Youtubeによる(動画付き音声)審査に切り替えて実施すると発表した。

審査は本選を含む。

 

詳しくは K音楽コンクール ホームページまでアクセス!

 

出典「文化的な日々」

 

 

 

   世界的な流れかも=

 

=【動画で受賞決定】

「2020アントン・ルービンシュタイン国際コンクール」

ヴァイオリン部門

2020/04/24(金) 

4月3・4日に、ドイツ・デュッセルドルフで開催予定だった「2020アントン・ルービンシュタイン国際コンクール」ヴァイオリン部門だが、開催地はCOVID-19 の影響でホール等の公共施設が閉鎖され、イベントは中止となっていた。

とても開催できる状況ではないのに公式サイトには受賞結果が掲載されていて、ずっと疑問に思っていたが、先頃、”The Violin Channel” に掲載された記事で状況が飲み込めた。

同コンクールは第1ラウンドを動画審査で行い、ファイナルを現地での実演審査としていたが、実演を中止し、
第1ラウンド用の動画の審査で受賞者が決定されたという。

参加は55名(日本4名)、ファイナル進出は16名(日本1名)だった。

1st Prize
Yuna Ha(South Korea)

1st Prize
Alexandra Weissbecker(Germany)

3rd Prize
Seonhye Song(South Korea)

▶︎ ”The Violin Channel”

▶︎ 公式サイト

 

【COVID-19】収束が見えない状況下でのコンクール 中止も延期もしない方策について考える

2020/04/25(土) 21:30:00

全国に拡大した非常事態宣言は5月6日までとなっているが、さらに延長される可能性が取り沙汰されている。

事態がかなり長期化するとの観測も出ており、ワクチンの開発と量産化に少なくとも3〜4年はかかり、完全な終息は数年〜10年先になるだろうとの厳しい見方もある。

▶︎ 東大の前田恵理子先生、「収束まで何年?親の覚悟」

このような状況の中、2020年春以降に開催予定の国内外のコンクールは非常に難しい判断を迫られた。

その対応は、概ね以下の5つに分かれている。

1)予定通り開催
2)今年の秋に延期
3)来年に延期
4)判断保留
5)中止

1)は3月中旬〜下旬開催の国内コンに見られた。 無観客等の感染予防対策が講じられた。

2)は5〜6月開催の国際コンに多く、その時点での「夏から秋には収束だろう」との期待感に基づく判断だった。状況次第では再延期または中止のリスクがある。

3)はメニューイン国際やアイザック・スターン国際など世界各国から多くのコンテスタントが参加するメジャーなものに見られた。東京オリンピックと同じスパンの延期幅だが、こちらも時間が経つにつれ状況次第では再延期または中止のリスクをはらむ
4)現時点(4月末)では8月以降の多くのコンクールが開催可否について公表していない。封鎖や宣言の解除、収束に期待するスタンスだが、「数ヶ月で風向きが変わる」可能性は未知数だ。

5)をいち早く決断したのは4月末開催のドイツのアンリ・マルトー国際。3月半ばの決定だった(次回は2023年)。日本のピティナも4月初旬に5月末〜8月末までの全ラウンドの中止を発表、次回(来年)開催を期している。

「中止」は多くの損害を被ることになり、「開催」はそれを避ける替わりに感染リスクと評判リスクを背負う。

損害を回避するか、感染リスクを回避するか。

その狭間で悩み、「風向きの変化」に期待するのが「延期」や「判断保留」の決定である。

収束は誰にも予見できない以上、正解は存在しない。

考え得る適切な解は、時期と状況によっても異なってくる。

実は少数派だが、中止でも延期でもない、もう1つの対応が見られた。

ホールでの実演審査から、YouTube 等の動画審査に切り替える対応だ。

不完全な開催の形であり、審査の公正性が損なわれる可能性はあるが、授賞で参加者を後押しするコンクールの機能は果たせる。

収束後に徐々に規制が解除されていく中で、過渡的なコンクールの実施形態の一つとしても、導入が検討できる方法ださらに少人数でのホール運営が許される状況になれば、無観客での演奏ライヴ配信、審査員はリモートで審査という方法もあり得る。

従来もあった配信を視聴したオーディエンスの投票により聴衆賞を決める方式は、より一般化できるかもしれない。

休校中のオンライン授業、出勤停止下の在宅テレワーク、無観客でのコンサートライヴ配信等と同様に、コンクールもまた、実演審査とは異なる新たな方法を検討し、アクションを起こす必要がある。

風向きの変化に期待するのではなく、
状況にアジャストして帆を調整して風向きに合わせる努力をする。

 

 悲観的な人は風に文句を言い、

 楽観的な人は風向きが変わるのを待つが、

  現実的な人は帆の向きを風に合わせる。

 

The pessimist complains about the wind; 

the optimist expects it to change;

 the realist adjusts the sails

 

ウィリアム・アーサー・ウォード

(1921~1994 アメリカの作家・牧師)


収束が全く見えない状況だからこそ、一歩でも新しい方向に歩み出すリアリストとしての対応を期待したいと思う。

出典vivaoke