2020年6月21日。エビ中のライブがありました。
2月16日のファンクラブイベント以来、126日ぶりのライブでした。
用意された舞台はエレキコミックやついいちろう主催の「やついフェス」。エビ中の参加がアナウンスされたのは出演の10日前。ライブを渇望していたぼくらにとっては、降ってわいたような話でした。

やついフェスは渋谷周辺のライブハウス数軒で同時開催される分散型フェスで、2012年から毎年行われているもの。エビ中は2015年以来5年ぶりの参加です。
こんな直前になって参加の発表をされても、スケジュール調整とかどうするんだよ!観に行く側のことも考えてくれよ!と、普段の年であったらそう考えたであろうところ。しかし今年のやついフェスは、分散型オンライン配信フェスという前代未聞の形に姿を変えていました。僕らはステイホームのまんまに、ライブを享受できるというものでした。
地獄に仏とはこのことか。週末は家にこもって配信三昧で時間を過ごすことを早々に決定。ニコニコ動画のプレミアム会員の登録を済ませ、PCの前にて正座を決め込むのでした。

定刻よりほんの少し遅れて始まった中継。聴きなれたebitureのメロディとともに、画面越しに6人が現れました。6人です。ぼくらが観たかった6人のエビ中がここに。さあ、10周年の向こう側。やっと、やっと始まるぞ。
M01.Family Complex
M02.元気しかない!
M03.仮契約のシンデレラ
M04.シンガロン・シンガソン
M05.YELL
M06.ポップコーントーン
M07.ジャンプ
ライブの様子は無料で配信され、僕らのナタリー様でも信頼と安定の写真とともにレポートされました。ぼくがここでライブについて何か書くのも烏滸がましいだけですよね。
そんなわけで思ったことや感じたことをメモライズしておきます。
ひとりごとのようなもので、いつもの5倍くらいつらつらだらだらやりますよっと。

繰り返しになりますが、今回のライブは2月16日のファンクラブイベント以来126日ぶりのものでした。FCイベントの時点でも、憎きウイルスについての情報は既にニュースを騒がせていましたが、そのごこの4カ月でこんなにも世の中の様子が一変するなんて、予想も覚悟もできていませんでした。

あの日は2012年の「じゃあ、ベスト10」のリバイバル公演だったんですよね。事実上の10周年イヤーの締めくくり公演として、その温故知新っぷりと成長っぷりに目を細めたものです。この日はエビ中の過去と現在を堪能するだけでなく、校長からはファミえんとMUSICフェス2020という未来も提示されたんですよね。
そうだ。MUSiCフェスだ。
奇しくも去年の6月22日は、エビ中が初めて主催した音楽フェス『MUSiCフェス』が行われていたのでした。
エビ中10周年のインタビューを受ける際、真山はいつも、MUSiCフェスで観ることの出来た風景がこの年月で一番好きな風景だと言っていました。なんとか土砂降り一歩手前で持ちこたえた広い空の下で、暗くなった会場に連なる老若男女入り乱れた中学生たちの肩組み。会場の奥の奥まで続くその列が、ペンライトの光と共に右に左にと揺れ動く様子。数千人によって作られたその光景は、彼女にとってどれだけエモーショナルなものだったのだろうか。

しかしその365日後。
彼女の前に広がっていた視界は、観客が誰ひとりいない、暗い暗いライブハウスの静かな空間でした。こんな未来の到来を、誰が想像できたでしょうか。
でも、エビ中の6人はずっと笑顔でした。

まずは単純に、ライブが出来ること。事前のインタビューでもメンバーみんなが滅茶苦茶楽しみだと言っていましたよね。その爆発する気持ちなんかおさえられるものじゃない。笑顔になる以外ないじゃないですか。

そして、ついにあのコが戻ってきたこと。1曲目のFamily Complexのド頭にて狂い咲く光の花を描き出す声は、本来そこにあるはずの安本彩花のもの。そして厳かに託される襷のごとく、柏木ひなたに歌い継がれる歌詞の架け橋。この瞬間が還ってきただけで、笑顔になる以外ないじゃないですか。
更に、きょう初めて6つ目のパーツが填められた石崎ひゅーいによるジャンプ。
歓声の届かない201の厚い扉から飛び立つ一瞬前。複雑な想いの昇華なのか、歌本来の世界観と反し軽い笑顔を浮かべ、渾身の叫びを放つ安本さん。この表情こそがいま一番のリアルなのだ。

そして。
画面内の彼女らの笑顔とは裏腹に、PC画面を前にした僕は、脳内のドーパミンを液状化させて瞳からどんどん零れ落としているのでした。
プレミアム会員として観るニコニコ動画の画面は、数回数秒のフリーズこそあったものの、とても綺麗なもの。メンバーの表情の細かいところまでが映し出されていました。

しかしご存じの通りこのサイトでは、画面を横切り流れてゆく視聴者の無数のコメントが、その美麗な映像を遮ってしまう仕組みになっています。閲覧者が多ければ多いほど、そして重要なシーンであれば重要であるほどに、コメントの字幕が弾幕となって画面を覆いつくしてしまうのです。
画面下のフキダシのアイコンをクリックすれば、下世話な文字列なんて消し去って、綺麗な映像でステージが観られることを知ってはいました。でもぼくは、なんとなくそのアイコンをクリックできなかったんです。
これだけたくさんの人が、同じ時間に同じものを見て楽しんでいる。それを体現している画面に流れる文字列の連なりが、ちょっとしたコ綺麗な映像よりも、もっと心地よいものに感じたのです。

きょうは、一年前のMUSiCフェスの時のような、肩を組んだファミリーの隊列はありませんでした。でも、暗闇のような客席の空間の先には、ほんのちょびっと少しだけ微かに僅かにあの時の光景に通ずる部分のある、あのコメントの字幕の渦がありました。それは彼女たちに見えたかな、届いたかな、どうだったかな。
ヘイシスター、ヘイブラザー、聴こえているか?
世界は楽しいんだってさ。真っ暗闇じゃないんだってさ。
だから歌うしかない。やるしかない。
きょうのセトリには、そんなメッセージが隠れているような気がしました。
広い空の下で、もう一度笑える日。それはきっと遠くない未来にあるんじゃないだろうか。
そんな気持ちにさせてくれるには、充分すぎるくらいのステージでした。

やついさんありがとうございました。
オンラインでの前代未聞なフェスから、
なんだか大きなものをもらえたような気がしています。
あの子たちの10周年の向こう側が始まりました。
止まっていた時間が少しずつ動き出しました。
さあ、次の機会に備えて、鈍った身体でも叩きなおすかな。

といったあたりかな。
それではそろそろ寝ますです。
おやすみなさいグー。