お母さんのこと。
思い出すと辛いから、思い出さないようにしてるんだけど、
それはそれで、寂しくて。
だから、たまに、気持ちのまま、お母さんのことを考えてみたりする。
うちのお母さんは、いわゆるキャリアウーマンで、私が高校生ぐらいまでばりばり働いてました。
朝7時には家を出て、帰宅は24時回ることもしばしば。
でも、残業代なんて出ない、ザ・ブラック企業(当時はそんな言葉さえなかったかも)。
それでもねぇ。
私と弟のお弁当は毎日作ってた。
身体に良い物食べさせたいって、冷凍食品とか出来合品は絶対入れなかった。
どんなに帰りが遅くても、私達の愚痴とか悩みとかを聞いてくれた。
今思い返せば、お母さんは、命を削って私達を育ててくれたんだなぁ、と思う。
母が仕事を辞めたのは病気になったから。
病気になるくらいの不摂生を続けざるを得なかった理由に、
私達のために家のことも妥協できなかった、ってのが歩きがする。
ホントに、甘えきったガキだったんだよねぇ、私は。
お母さんは、なんにも文句言わない人だった。
人の悪口も絶対言わない人だった。
頑固で、完璧主義なんだけど、丁寧すぎて、世の中の流れに置いてかれるような人。
でも、誰に対しても誠実で、優しくて、いっつも笑顔を絶やさない人だったから、
本当に、誰からも愛されてた。
でもねぇ、本当に、どんな状況も受け入れちゃう人だったから、
お母さんの辛さとか、悩みとかに、全然気づけなかったんです。
同じ状況に置かれたら、私だったら発狂しちゃうような状況でも、
お母さんは「仕方ないな。前向きになるしかないでしょ!」って腹括って笑顔で頑張っちゃうタイプだったんだなぁ。
って、今更思うんです。
お母さんは、全然怒らない人だったんです。
その意味を、今改めて考える。
お母さんは、自分の中の「怒り」を発散することを諦めてしまってる人だったんだと思う。
怒ったって何も変わらない、ってよく言ってた。
でも、怒らないって、本人的には相当辛いよね。
だって、いつまで経っても自分を正当化できないんだもん。
我慢する以外に自己防衛手段を持っていなかった人なんだなぁって。
私は、お母さんのそういう性格につけ込んで、本当に甘えきっていたんだなぁ、と思う。
大袈裟だけど、私のその甘えが、お母さんを殺したんだな、って気もしてる。
なんかねぇ。
生きてるのが恥ずかしくて、お母さんに手を合わせらんないんですよ。
なんにも返せなかったねぇ、お母さん。
私は貴方からいろんなものを奪うだけ奪って、なんにも返せなかったよ。
これって結構、辛いんだ。
私、長生きしたいって思って事なかったんだけど、
せめて、自分の子どもが就職するか結婚するまでは生きてようって、今は思います。
お母さんはよく、自分は結婚式に興味がなかったから、適当にウェディングドレスを選んじゃって、親戚のおばさんに『一緒に選びたかった!』って怒られちゃった、って話をしてた。
私は、どんなに願っても、一人で選ぶしかないんだなぁ、とか。
結婚式で、「天国のお母さんへ」とかいう言葉を言わなきゃいけないんだなぁ、とか。
そんなこと思うと、今から憂鬱だよ。
もうすぐ学校の卒業式だよ。
私は行く気なかったんだけど、お母さんが、もう卒業式は最後だから行きたいな、って言ってたから、行く気になってたんだよ。
全くもう。
お母さん、連れてけないじゃん。
勝手についてきてくれるのかな?傍にいるって思っていいのかな?
今はきっともう、身体のどこも痛くないはずだから、晴れやかな気持ちで私のこと見ててくれるって思って良いかな。
あー、ホントに。
まだ49日さえ経ってないとかしんじらんないくらい、お母さんが遠いです。