『善人ほど、因果応報が下る瞬間を

見届ける必要はありません


因果応報というものはね

復讐心や怒りに心を縛られている人にしか

はっきりとは見えない仕組みなんです


他人の破滅を希望にしてしまった時

その人の心もまた

すでに執着に囚われているのよ


見届けなくても

因果は淡々と執行されていくのですから

だからこそ善人はそこから目を離していいの

むしろ離れなければなりませんね


今理不尽な状況にいる

あなたに本当に必要なのは

相手の末路を知ることではないということ


必要なのは

自分の心をこれ以上

汚さないことなんです


つまりあなたが今苦しいのは

あなたがその人の人生を

勝手に背負っているからですよ


悪人がまだ裁かれていないからではないの


本来のあなたの人生は

あなたの心を守るために

使われるべきもの


誰かの未熟さや歪みの後始末に

消耗させるためのものでは

ありません


理不尽な目に遭っている時

人は必ず二つの道に分かれます


ひとつは

「どうして自分だけが」と考え続ける道

もうひとつは

「自分は何を守るべきか」と問い直す道


前者を選べば

苦しみは長引きます

でも後者を選んだ瞬間

状況が変わらなくても

人生の流れは静かに切り替わり始めるの


守るべきものを間違えなかった人だけが

最後に守られる側に回る


これは私が生きた人生で

確信していることです』


----美輪明宏