舞踏会が始まった。
屋敷の主であるカエール侯爵は挨拶に回っている。私は全ての様子が観察できるところでその侯爵を見守っていた。
挨拶まわりを終えた時に、私のところに来た。
「アリアネ、笑顔」と小声で言う。
少しするとジェアン伯爵と私と同年の女性が近づいてきた。
「カエール侯爵、こんばんは」
「こんばんは、ジェアン伯爵」
こういう場で二人の言葉はいつも冷たいと思う
「こちらはポルニャク家の次女、アンヌです」
「こんばんは、カエール侯爵」
「こんばんは、レディーアンヌ」と言いながら、侯爵は少しアンヌに近づいた「初めてお会いしているのですね」、そして微笑む
「はい、初めてです」
「こんなかわいい女性を忘れるはずがありません」と言い、アンヌの手をとり、軽く口付けた
アンヌの頬が赤く染まる。
カエール侯爵はアンヌと違うところに移動した。
「はやいですね」と私はジェアン伯爵に言う。
「カエールのことですから、時間を無駄にしません」とジェアン伯爵が笑う
「あの調子でおとせなかった女性がいますか」
「レディーアリアネ以外はいませんね」
「私はいいとして」
「体調が悪くなってしまって、帰らざるをえなかった時位かなぁ」
「二人が競った女性は?」
「あれは完全に僕の負けでした」
私とジェアン伯爵はそのような話をしている間に、カエール侯爵はアンヌに夢中だった。
舞踏会が終わるまで、何曲も一緒に踊り、外で少し話をしたり・・・アンヌが帰るときに、別れを惜しむように馬車のところまで送り、少し立ち話をした。
でもポルニャク家の次女が帰っても、カエール侯爵は私のところに戻ることはなかった。
全ての客が帰り、ジェアン伯爵だけ残った時に、私とジェアン伯爵に近づいてきた。
「どうだった?」とジェアン伯爵は聞く。
「あと2・3回会えば、申し込もう。次どこで会えるかなぁ」
「2週間後の僕の屋敷でのディナーでどうでしょう」
「頼む、ジェアン」
「分かった。ポルニャク家に招待状を明日にでも送るから」
「ありがとう」
「カエール、僕はこれで」
「あ。マリーが待っているんだろう」
ジェアン伯爵は微笑んで、私に一礼をした。
親友を見送った後、私に
「アリアネ、書斎」と。
つづく
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