Thinelの世界 -39ページ目

Thinelの世界

私の描く世界へようこそ


  談話室にジャック伯爵が入るなり、アンヌが出ようとした
  「ジャック伯爵が気にしないなら、レディーアンヌも話に参加してほしいです」とカエール侯爵は言う
  ジャック伯爵は少し驚く。
  「基本ではないではありませんが、結婚する相手ですので、全部知ってほしいですね」と侯爵。
  基本といえば、女性の意見関係なく、結婚の話を進めるが、カエール侯爵はあまり「基本」を好きではないようだ。
  私に対しても、レオナ将軍に対しても、アンヌに対しても、対等に話をしている。
  「分かりました」とジャック伯爵はアンヌにソファを勧める「では、、カエール侯爵は次女のアンヌと結婚したいですね」
  「はい、結婚相手としてはレディーアンヌほど適切な女性はいないと思います。婚約者がいないようでしたので・・・」
  ジャック伯爵は苦笑い
  「現在のポルニャク家の状況について・・・」
  「はい。今の収入のままだと爵位も危ないようですね」
  「はい」
  「直球ですが、今の生活を保つために借金などは?」
  「少しありますね」
  「今時借金のない貴族の方が珍しいですね」とカエール侯爵は少し呆れた様子だった
  「ヴェンドメ家は借金全くないと知られていますけど」
  「本家は父上とジャン兄上の収入がありましたし、ワタシも必要な時に手伝ったりしていますから、なんとか」
  「あれ?カエール侯爵の方が本家の支援をもらっているのではなく、支援をしているのですか」
  「はい、ワタシの資産は自分で手に入れたものです。准将軍としての仕事以外、いくつの小企業と、ジェアン伯爵と一緒に医学の学校を経営しているので、少しずつ自分の『家』を建ちました」
  「医学ですか」
  「恥ずかしいながら、医学と哲学の大学に卒業しています。結局人を救うより、人を殺す仕事を選んでしまいましたが・・・」と侯爵は皮肉の混ぜた言い方をする
  「しかし准将軍は立派な立場のではありませんか」とアンヌは言う
  「立場は立派のだとしても、やっていることには変わりがありませんよ。むしろ上だからこそ、殺せる人数が大きいです。神のように人の人生操り、死への道に人を導く。そしてその犠牲は全て傲慢な王の夢を叶えるため」
  「最近の国王は国民の心配より、国を広がることしか頭にないようですね」とジャック伯爵は言う
  「その通りです」
  「地図より少し窓の外を見てほしいところです」と溜息をつくジャック伯爵だった
  カエール侯爵は確信できたように、ジャック伯爵を見つめる
  「話を戻しますが、借金はワタシが払いましょう」
  「しかしこちらから持参金も出さないといけない立場ですが」
  「持参金を目当て、レディーアンヌと結婚していませんから、いいです。持参金などより、ジャック伯爵は爵位を持ち続けることの方が大事でしょう。そしてポルニャク家の企業の経営を少し見直しましょう」
  「条件ですか、侯爵」とジャック伯爵は微笑む
  「条件です。ワタシの家とヴェンドメ家と関わる家はいいイメージを持って欲しいですし、誇りの元にもなって欲しいです」
  「手を差し伸べているのなら、追い払うつもりはありません。今のポルニャク家の状況が困難なのは事実ですし」
  「結婚式のこともワタシは持ちます。レディーアンヌの希望通りの結婚式にしてください」
  アンヌの顔に微笑みが浮かぶ
  「だたし無駄遣いはほどほどに」
  「はい」とアンヌは答える
  「ジャック伯爵、できれば来月に式挙げたいです」
  「いいでしょう」
  「侯爵、結婚したら、どこで住むつもりですか」とアンヌは聞く
  「今の屋敷に住むつもりです。仕事の都合もありますから。何か不都合でも?」
  「いいえ、知りたかっただけです」
  「レディーアンヌに紹介するのを忘れていました。ワタシの後ろに立っている女性はワタシんの護衛兵です。屋敷に住んでいます。アリアネです」とカエール侯爵は私のことを示す
  「よろしくお願いします」とアンヌは私に言う
  私はただ一礼をした。

                                       つづく


ランキングに参加しているので、よろしくお願いしますね!  
にほんブログ村 小説ブログへ にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ